カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

小西先生ご逝去記事

2007-05-31 10:01:05 | Weblog
 メモです

 「日本文藝史」の小西先生がお亡くなりになったそうです。お会いしたことはもちろんありませんが、「日本文藝史」の著者としてのお名前は知っていました。
 謹んで、先生のご冥福をお祈りいたします。
 ところで、先生が玄人向けの古文参考書を書かれていたとは知りませんでした。機会があったらぜひページを開いてみたいです。

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「日本文藝史」の著者、小西甚一さん死去
2007年05月30日21時36分朝日新聞記事
http://www.asahi.com/obituaries/update/0530/TKY200705300375.html

 古代から現代までの文芸史をまとめた全5巻の大作「日本文藝史」で知られる文化功労者で筑波大名誉教授(比較文学)の小西甚一(こにし・じんいち)さんが26日、肺炎で死去した。91歳だった。葬儀は親族のみで済ませた。喪主は妻晃子(あきこ)さん。
 日本文学と中国文学を比較研究した「文鏡秘府論考」により学士院賞を35歳の若さで受賞。古代から三島由紀夫まで2000年にわたる日本の文芸を、初めて世界の中で位置づけて分析・批評した「日本文藝史」(92年、大佛次郎賞)は英訳され、海外の日本文学研究に影響を与えた。著書に「能楽論研究」「俳句の世界」など。受験参考書「古文研究法」は50年以上に及ぶロングセラー。(了)

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http://www.amazon.co.jp/%E5%8F%A4%E6%96%87%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%B3%95-%E6%94%B9%E8%A8%82%E7%89%88-%E5%B0%8F%E8%A5%BF-%E7%94%9A%E4%B8%80/dp/4844200003/ref=pd_bbs_sr_1/250-3855515-1616200?ie=UTF8&s=books&qid=1180572595&sr=8-1

「古文研究法 改訂版」(単行本)
小西 甚一 (著)
洛陽社
価格:¥1,305(税込)
(初版1965/12)
ISBN-10: 4844200003
ISBN-13: 978-4844200000

古典を愛するすべての人に, 2004/1/4
レビュアー: カスタマーさん
大学院時代にこの本に出会ってびっくりしました。著者がいかに精魂を傾けて書いているかがすべてのページから伺い知ることができるからです。その思いは国語教師となったいまも変わりません。世に溢れる「これだけで十分」式の手軽な参考書ではありませんが、それだけにいつまでも座右に置いて熟読すれば必ず応えてくれる内容です。天台宗を解説して「ヘーゲルを思わせる澄み切った知性をもつ」とあるのはぼくの理解の範疇を超えますが「平安時代のインテリさんは、みな天台宗の仏教学をほとんど必修の一般教養として囓ったらしい」とくれば時代の中の位置づけがよくわかります。また、芭蕉の「夏草や兵どもが夢のあと」の句を解説するくだりでは「夏草は、ごわごわした手ざわりで、冬草(クローヴァ)のように柔らかくない。そのあらあらしさは、武士たちの壮烈な最期の場所であるのに、もっともふさわしい」と鑑賞しさらに〈象徴〉の説明に入っていくのはさすが実作者としての経験と感嘆します。受験生にだけ使わせておくのはもったいない。古典を愛するすべての人にお奨めいたします。ハードカバー版とペーパーバック版があり、どちらも同価格。2004年には改訂100刷を迎えると思います。
コメント
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