2022/10/17 18:22産経ニュース
降りしきる雨の中、報道公開された自動運転で隊列走行する車両=17日午後、滋賀県野洲市
複数の自動運転バスが連なる隊列走行技術による高速輸送システム(BRT)の実証実験を行っているJR西日本とソフトバンクは17日、滋賀県野洲市のテストコースでの走行試験を報道陣に初めて公開した。自動運転バスの隊列走行が実用化されれば日本初という。輸送力や速度、運行の柔軟性などで鉄道と路線バスの中間の交通手段として位置づけ、2020年代半ばの社会実装を目指す。
両社は昨年10月から、JR西の網干総合車両所宮原支所(同市)にコース総延長約1・1キロのテストコースを設けて実験を行っている。報道公開では、大型車両2台をつなげた「連節バス」、大型バス、小型バスの計3台が連なる隊列走行を実施。連節バスの自動運転化も国内では例がないという。
3台それぞれが衛星利用測位システム(GPS)により自動運転するが、お互いの走行状況をバスに取り付けられたセンサーとカメラで感知し、連節バスを先頭に10~20メートルの車間を保って時速25キロで走行。先頭車両からの情報通信により、後続の2台の車内アナウンス、乗降確認とドアの開閉操作を行った。
JR西の久保田修司・鉄道本部副本部長は「人口減少や少子高齢化を踏まえ、鉄道だけではなく地域に合ったモビリティ(移動手段)の選択肢の一つにBRTを検討してもらえるようにしたい」と話した。