モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

静と盛

2023-01-10 23:58:41 | 学生


月咲 中2 『旅の日の思い出』 油彩

年末年始で崩れた曜日感覚が未だに戻らず困っています、ホノカです。
今回のブログは学生クラスより市美術展へ出品の月咲の油絵のご紹介です。風情のある日本家屋を描いたこちらの作品。渋い色でまとめられた建物と、鮮やかな木々の緑が印象的ですね。

左右対称でかっちりとしたイメージになりがちな正面からの構図ですが、木が左右非対称に置かれていることで純粋な建物の紹介ではなく景色を描いた作品になっています。また、木は前後関係を示すことにも利用されており、手前・中間・奥と、建物の正面からのみでは伝わりづらい立体感を表現することにも一役買っています。
月咲本人に今回の油絵について聞いたところ、「描いた建物は善光寺の近くにあるなんか普通の家」「建物の影は付けるのが難しかった、あと油絵で日本の建物を描くのが意外と大変だった」とのこと。
たしかに本人も言っていただけあり、建物の白い壁面を見ると細々と描かれた影があります。上の方の影に比べると、下の方にある影がより青く暗いことで、同じ質感の壁でも空に近い壁面、地面に近い壁面という位置の違いが感じられます。また、建物へ続く道を見てみると少し土の色が透けたような砂利の道や、白んだ空に合わせて白く明るくなる瓦、木は手前と奥で葉の細かさも変わっている部分などなど、色の重なりを生かした部分や点描のように細かく描くことなど、過去の油絵での経験が生きている所も垣間見えますね。

月咲の油絵はこれまでも、とっても真面目に細かく色を変えながら点描している部分が個人的に好きなポイントなのですが、今回の作品でも家屋を中心にその特徴が出ていますね。
ただこの作品、完成するまでに超時間がかかりました!彼女も中学生時代の私と同じく、労力がお喋りに9割、作業に1割という配分。繊細に作業を進めていく油絵とは正反対にかしましくしてしまうのも分かりますが、お喋りしながらも沢山手を動かせるようになってほしいと思います!

コメント
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