植松 油彩
気圧の変化に見事にやられています、一平です!本日は日曜クラスの植松さんの油絵をご紹介します。
海の浸食により荒々しく削られている崖の迫力が強烈な一枚。ペインティングナイフを初めて使われたという事でしたが1回目には見えない巧みなテクニックを感じます。麻場さんのこの絵からマチエールの付け方にヒントを得てチャレンジされました。
生物が生存するには過酷すぎる環境だからこそこのようなモスグリーンの植物しか生えていないのかと思うと、大自然の厳しさがより強調されているようです。そしてもちろん海や崖にもただ青!茶色!ではなくピーコックグリーンやイエローオーカーなど様々な色を駆使していて、より深みを与えています。今小学生たちが油絵をやっていますが、めんどくさがって単色ですぐ塗って済ませようとする子たちに見せてあげたいような絵です。(めんどくさがる子達は我々がもちろんタダじゃ済ませませんが…)
そんな自然の強さを感じる絵の左上を見てみると、過酷な環境下でも波から身を守るための外壁を作り、住むための家を建てて生活してしまう人間がいるようです。そんな人間の生命力や逞しさが、少しの植物しか生えていない崖とのコントラストでより強く感じられます。晴々とした空と鮮やかな海、そして断崖絶壁という大自然の中に対照的に存在する人工物のギャップが上手く作用しているのだと思います。
僕は若干海洋恐怖症なのですが、植松さんのこの絵を見ていると良い意味でブルッとしてしまいました…!見ている人に何かしらの気持ちを想起させるのは絵に力がある証拠ですね。そのくらい荒々しいけれども深く美しく、時に恐ろしい海の魅力を感じます。