モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

闇を描く

2015-09-07 19:24:54 | 大人 デッサン

上橋 『静物~深き海の見る、在りし日々のささいな夢たち~』 デッサン


どうも幸介です!本日ご紹介するのは大人クラスより上橋さんの作品。ここのところ油彩を続けて制作されていまして、油絵も手に馴染んで制作スピードもどんどん上がってきております上橋さん。油彩に慣れた今だからこそ、あえて一度デッサンに戻ろう、ということで今回の作品は制作を始められました。

こちらのデッサン、モチーフを描くというよりも「闇」の空間を描く、といった方がよろしいでしょうか。モチーフには厳かに光が当たり、暗さはしっかりと乗せる。フェルメールのような視点で描かれた作品ですね。鉛筆の鉛の黒だとヌメッとした暗さになってしまう可能性もありますので、こちらの作品は要所要所に木炭の黒を使っています。しっかりと黒く「闇」になっている部分と、鉛筆でカリカリと硬質的に描く部分のメリハリがありますので、単純な黒い画面にならず、黒にもバリエーションがある「暗い空間の絵」として成り立っているのだなぁと感じました!

とくに貝の周りの暗さ、貝自体の厚みや硬さ、見えるか見えないかの反射光、ここらへんがすごく澄んだ空間に見えて気持ちが良いですね!暗い中にある白いものを描くとき、黒く塗り過ぎて汚れて見えてしまったりしがちですが、上橋さんのモチーフはしっかりとバランスを保っています。

油彩や今までの水彩では、日中であったり明るいモチーフを選択されることが多いのですが、今までも水彩であったり稀に暗い絵を制作されています。けっこうこの「暗さを描く」ってのは、実は上橋さんにすごく合っているような気がしますので、油彩でも水彩でも、次回作は是非「暗さ」を取り入れた絵を描いていただきたいなぁと思います!!

田中幸介
コメント
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