松下 油彩
マユカです!今回は松下さんの作品をご紹介したいと思います。
今までも家族をモデルに制作を重ねる松下さん。(前回の絵はこちら)4枚目となる今回は、奥様と娘さんを描かれました。飲み物を手に微笑を湛えた表情をしている様子と、柔らかな光から微笑ましい家族の風景を感じます。
様々な色が塗り重ねられており、壁の影や奥のドアなどは黒や青も多く使われているものの、手前の木の机や明るい茶髪など、至る所にパキッと入った白が画面全体を明るく見せているため暗く重い雰囲気にならず、かといって明るく軽快な雰囲気でもなく、静かでゆっくりとした空気感と日常感を感じさせるような色使いになっていますね。この日常感ですが、例えばジュースの残りを見ている娘さんの視線やストローの持ち方が自然に描かれていることからも伝わってきます。細やかな仕草の描写が自然な空間を作り出しているのです。
暖色がメインの画面に寒色を置く際は、明度が同じ色を隣り合わせるか、暗い色として置くと体感で馴染みやすいかなと思います。現に松下さんの作品では暗い場所に重点的に寒色が置かれており、それによって画面が単調にならず、雰囲気も壊さずに描けているのではないかなと感じました。
現在はセザンヌの自画像を模写されています。次回にご自身を描く為の練習だそうですが、「今までご家族を描かれる時には、事前に練習をされたと聞いたことがなかったのに、自分を描く前は予習をするのかな?」などとちょっと意地悪に思いました!