駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

時季外れ台風の余風

2016年10月05日 | 診療

 

 昨日は暑いと思ったら三十度を超えていた。何十年ぶり、否史上最高という処もあったようだが、昨今は皆異常には慣れているのでアイスキャンデーを齧りながら凌いだ人も多かったようだ。台風はかなり北にずれたので、当地では風はなく生暖かいだけだ。どうも北上してから東に曲がる予想で明日は東北北海道が要注意らしい。どうせ北にずれるなら北を直撃がすると好いですねというのはMRの弁だが、奥まっているのでなかなか直撃台風はないようで詰まらん。貧しくひもじい人に被害があっては可哀想、刈り上げ頭を直撃するのが一番。

 人の感覚は日常接するものに影響される。どうも人の話を聞くのを内科診療の要諦としているせいか?、妙な高齢者が集まってくる。話を聞いていると私までおかしくなりそうだ。近隣のT医院で「もう来るな」と言われたと八十歳に手が届いているのに赤緑の錦鯉のような衣装に派手な化粧のお婆さんがやってきた。ふらつくと訴えるのに杖もつかずすたすた歩いて淀みなく話す。診察では異常ないのだが血圧は182/103と高い。腕を変えて三回測定したが、すべて180を超える。血圧が高いですねという私の話には碌に興味を示さず、何だかとても本当とは思われない話をあれこれする。T医院の看護助手は物を盗むので要注意ですよ、しかも院長とできているんですよ、うちの息子とも怪しい。まさかと聞いていると「これは内緒ですよ」と釘を刺してお帰りになった。やれやれと思っていると受付が今の方天皇陛下の遠い親戚なんですって、と真に受けて阿保なことを言う。君は何年受付をやっているんだとあきれたことだ。この調子では何を言われるかわからない。何とか気に入られないように仕向けなければと思案投げ首だ。 

コメント (4)
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