駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

診察実際のところ

2021年11月19日 | 世の中
             

 医者は診察で身体に触れる。人の身体に触れる職業はそうたくさんはないと思うが、例えば床屋さんとか按摩さんなど、身体に触れるお仕事の方に聞いてみたいと思うことがある。手間が掛かるというかやりにくい体型のお客さんは居られないかと。
 実は診察で触診してもわかりにくい体型の患者さんが居られる。何十年の経験を積んでも肥満した患者さんや筋肉隆々の患者さんは触診してもわかりにくいと告白しなければならない。勿論、虫垂炎や胆嚢炎のような明らかな異常があればまず見逃すことはないのだが、こうした体型の人に触診で臓器の腫大や腫瘤を見付けることは難しい。倍の時間が掛かるのに半分も分からない。
 特に症状はないのに触診で腫瘍が見つかることが年に一例くらいある。希なことではあるが、定型診察にも福音がある。こうした体型の患者さんは残念ながら福音に預かれない。
コメント
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