袋だたきの時代

　　　　　　　　　　　

　瀬戸内晴美（寂聴）さんが亡くなった。賛辞が溢れているけれど、僭越ながら本当のところはトントンなのではと思う。こう言っても多分怒ったりされないだろう。インターネットのない時代に作家という表現者で才能もあったから、批判はあっても今のような袋だたきにはならず、認める人も居た。

　私が高齢者で昔の記憶があるせいか、今は皮相浅薄な短絡した袋だたきが横行する時代に思えてしまう。アメリカに渡るのは故なきことではなかろう。