駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

事実に向き合う姿勢を政治に

2021年10月24日 | 小考
             

 福島の原発事故処理が遅々として進まない。実際には三、四十年程度では不可能で費用も二十兆円では済まないことを科学の専門家は知っているが一般にはきちんと説明されていない。つまり科学に政治的な意図が持ち込まれて、問題なさそうに響くようにシナリオが書かれ演出されている。残念ながら科学者にも予算欲しさに不都合な事実を言わない人達が居る。政治家は福島原発事故現場を見学に行くよりもその時間を使って核物質の物理講義を六時間受けた方が良い。
 過去九年間都合の悪いことを誤魔化し一部の人達に有利に政治が行われてきたという事実を指摘することは批判ではなく分析批評で、それなくしてより良い政治は出来ない。分析批評を批判ばかりと反撃するのは事実をまやかす安倍演出と見透かされる。
 日本がこの三十年内向きで世界の進歩潮流に正面から向き合わなかった結果、今や科学技術ではアジアのトップではなく中国韓国の後塵を浴びるようになっていることを知らない人が多い。確かにまだ優秀な科学者はいるけれども後継者は激減しつつある。ノーベル賞は二十年三十年前の業績に与えらることが多く、しかも多くは海外(殆どアメリカ)での勉学研究が種になっている。
 都合悪くても不愉快な事実に向き合わなければ格差拡大は解消できないし国力の凋落を切り抜けることはできない。選手を変えても駄目、監督を変えねば。
コメント
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