駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

人生色々

2021年10月23日 | 診療
              

 世間は広いと言われ確かに広いようだが、実際にそれを体験している人はさほど多くないと思う。普通は仕事仲間や友人が多い人でも横の広がりで、縦の広がりは少ないと観測している。何といっても人は同じような考え同じような暮らしの人と居るのを好み心地よいと感じる傾向があるので、それは自然な現象だと思う。
 異業種の友人F氏が時々私に医者のような仕事はできないと言う。それは難しいからとか忙しいからというのではなくて、多様な人を相手にしなければならないからだと言う。F氏は 一流企業で活躍した人なのだが、それでも話の分からない人を相手にするのは耐えられないらしい。
 確かに私は仕事柄普通の会社員よりは横だけでなく縦にも幅広い階層の人と接触がある。勿論、話の分からない患者さんはそれほど多くはないが、やれやれあるいはそんなことがと思うことはある。唯、地域的に裕福な人は少なく富裕層の患者さんは殆んどいないので、縦に深みがあるといっても多少の偏りはある。
 いずれにしても一般の人よりも多様な人に接する機会の多い仕事なのは確かだと思う。人間は色々で見かけによらぬことにも驚かなくなった。知りたくもない秘密を数多く知っているが、習い性となったので職業上知りえた秘密を黙っていることは苦痛ではなくなった。妻にも話さない。
コメント
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