駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

インフルエンザワクチン余聞

2020年09月27日 | 医療

      

 

 あと十日ほどでインフルエンザのワクチンを打ち始める。新しい院長の方針で二週ほど前から受診した患者さんにインフルエンザワクチンを打つかどうか聞くようにしている。毎年打っているから打つ、打ったことがないインフルエンザに罹ったことがないから打たないが四割ずつくらいで拮抗している。残りは何年か前に一度打ったことがあるあるいは今まで打ったことはないが今年はどうしようと迷う人で、打った方が良いですかと聞かれる。だいたい七割の効果ですけど打った方が良いと思いますと六十五歳以上の人には特にお勧めている。いい年をして痛いのと聞く人、男性が多い、もいる。看護師がちょっとだけと答えている。どうも是非お打ちくださいと強く勧めるのが性に合わない、良くないと思うが今から直せない。

 ワクチン製造メーカーは厚労省の指導とインフルエンザワクチン必要量の予想に従い決まった量しか生産しない。製造に受精卵が必要で準備に一年掛かるので追加生産は出来ない。そのため予想より希望者が多いと品不足になる。卸業者からの各医院へのワクチン数の割り当てはだいたい前年通りで減らすことは出来ても増やせるのはせいぜい百人分程度だ、この辺りには医院と卸業者の日頃の関係が影響する。医院には購入した分全部使わないと損が発生する。そうしたこともあって予約制にしている医院が多い。中には三人ばかりでグループを作り、その場ですぐ打つ方式で車の渋滞が出来るほど打ちまくる医院もある。お互いに融通するので打ち残りがないらしい。そういう医師は医学以外の才能もあるようで、医院も住まいも豪華だ。別にやっかんでいるわけではないが自助力に秀でておられるようだ。

 ワクチンや薬には注意しても多少副作用が出ることがある。ワクチンを打った後微熱が出たり、少し腕が腫れることがある。それをどう感じるか微妙だが、毎年千人ほどの方が打たれる。今年はどうだろう。ただ、インフルエンザは流行しないと思われる。コロナ対策はインフルエンザにも有効だからだ。

コメント (2)
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