駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

馬脚現わる

2013年05月24日 | 町医者診言

              

 馬脚などというと馬に悪い気がするが、実態が垣間見えたという意味では妥当な表現だろう。私は経済学者ではないが、安倍ノミクスの正体を有資産家と大企業の動きに依って生まれたものと見ているので、取りあえずここいらで利益確保という動きがあれば雪崩が起きる可能性は大いにあると見ていた。株売買サーフィンには波が必要なのでサーファーは次の波を目指すだろうから、まだ奈落の底には落ちないと見てはいるが。

 ただ、賢い資産家には周知のことだった動きで生じた流れであたかも増えたように見えている経済の盥の縁は渦が起きて増えたように見えているだけで、渦が収まれば下がってしまうものだということが、一般の資産のない人々にも気付かれることになったかもしれない。

 安倍ノミクスを貶そうというわけではなく、実態を知っておくことが大切(私が正しいとは限らないが)と考えるだけだ。飛行機は止まれば落ちるわけで、流れを起こすことは生き延びてゆくのに必要かもしれない(着陸して徒歩に変えるのも一つの選択肢)。しかし、経済政策のあたかも底辺まで潤うような言い回しで集めた支持を政治的野心に利用するのは問題があると思う。そうした自覚の有無にかかわらず、安倍首相はエスタブリッシュメントを持ち上げようとする政権で、だからこそ、民主党の似たような施策には乗らなかった大企業が外遊にも同行する。

 これが良いか悪いかは分からない。ただそうしたからくりがあることを一票を持つ人は理解しておく必要があると思う。大袈裟にいえば人類は総身を持て余す状態に陥り始めているのだ。

 そうは言っても取りあえずが良ければ、目を瞑って生きてゆくのが個体なのかもしれない。しかしながら、孫の顔を見ているとこれではいかんとも思う。

コメント (2)
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