西内啓さんの「統計学が最強の学問である」。を読んだ。最強の学問というタイトルは確かにそうかもしれないが、誇大広告的に響くのでどうかなと思ったが、多くの人に手にとって貰うためには良かったのかも知れない。
分かり易く為になるとても良い本だった。どうも統計学は難しくない(負け惜しみ)のにわかりにくく、論文を書く時には参考書を脇に使うだけだったのだが、一般化線形モデルをまとめた一枚の表(図表25)を見て、なんでもっと早くこれを教えてくれなかったのと過ぎた四十年の昔を恨めしく思った。俯瞰出来れると理解の度合い意味合いが違ってくるのだ。もはや使うこともない年齢になって腑に落ちた。
統計の読み方考え方はかなり分かっていたので、そうなんだよなと思いながら読んだところも多かったのだが、何よりもこれが多くの人の常識になって欲しいと(著者に負けず?)祈るほどの気持ちになった。外来では隣のおじさんやおばさんの横槍に苦戦しているからだ。
出来事の意味すること、調査(データ)の意味することを妥当に理解するには統計学の知識と考え方が必要で、「統計学が最強の学問である」にはそれが過不足無く分かり易く書かれている。とてもよく売れているそうだが、最強の学問というタイトルで買っただけで、碌に読まないということのないように願う。
というのは、よく読まれていると聞く本を読んでいつも思うのだが、世論とされるものと違う内容が書いてあり、本当に読まれているのだろうかと不思議に思うからだ。