日本人には小太りが多い。残念ながら欧米人のように大太りでないから大丈夫とは言えない。というのは日本人の体質の特徴で、小太りでも肥満による健康障害が出やすいのだ。そこで、高血圧高脂血症糖尿病で小太りの患者さんに、体重を減らすように模型や自家製パンフレットで口酸っぱく指導している。
口酸っぱく指導しても私の指導が下手なのか甘いのか、患者さんは聞き流したり笑って誤魔化したりで、なかなか成果があがらない。中には不機嫌になり睨みつける患者さんも出てくる。確かに毎回毎回注意され、言い返すことができないと不愉快になるのも分からないではない。
そうした患者さんにも、これからの季節は言い訳が沢山あり、いいような悪いような、結果としては困ったことになる。というのは、太りやすい人には太ることは簡単で、折角半年頑張って痩せた2キロ3キロをこの一カ月でふいにしてしまうことがあるからだ。
「はっはは」。「やっぱり」。で舌を出されてもなあ。食いしん坊の私には彼ら彼女らの気持ちが痛いほどわかり、苦笑いで済ましてしまうことも多い。当地には鶴のように痩せた糖尿病専門の女医さんが居られ、厳しく指導されている。それなりにプライドのあるおばさんの中には、合わないと逃げて来られる方も多い。そうした患者さん達を受け入れるのも自分の仕事と心得ている。
彼女達は御歳暮に和菓子やクッキーを持って来てくれるのだが、その時に自分用にもお裾分けとかの理由を付けて買いこんでいると睨んでいる。気持ちは理解しても、指導が甘くならないように自分を戒める季節でもある。