駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

夫婦別姓訴訟の見出しを見て

2011年01月07日 | 小考

  「夫婦別姓求め初提訴」、選択肢がないのは憲法違反だと主張とある。

 夫婦別姓というのは結婚の形態というか意味合いの変化を意味しているように思う。それとは別に事実先行的にできちゃった婚や未婚の母が増加している。できちゃった婚と未婚の母、夫婦別姓は同列の問題ではないのだが、従来の結婚観、結婚形態、家族の形を変えてゆくものとしては共通したところがある。

 夫婦別姓論者は同列に論じられるのが迷惑かも知れないが、現在の家族形態を自然のものと受け止めている者にはどちらも馴染めない考え方、傾向と感じられるのだ。

 まあ確かに選択肢としても許されていないのはおかしいという主張はわからないでもない。

 しかし、実はそうした本質的なことよりも、違和感を持ったのは国に賠償金を求めている点だ。精神的苦痛を受けたからということだが、そんなことを言い出したらいくら税金を取っても間に合わない。精神的苦痛を受けたと国を訴え始めれば数限りないものになるだろう。訴訟社会と言われるアメリカの実態実感はよく知らないが、手にした賠償金で弁護士などに諸費用を払い手元にほとんど何も残らないという蛸が自分の足を食べるような空しいことになるのではないか。まあ、訴える以上、形として賠償金を求めただけと言われるのかもしれないが、受けた精神的苦痛に国が金を支払えという道筋は展望の開ける頂には通じていないと思う。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする