駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

正月にワシも考えた

2011年01月03日 | 町医者診言

 学んで思わざれば則ち罔(くら)し思うて学ばざれば則ち殆(あやう)し これほど人間が生きてゆくのに有用な指針は少ない気がします。勿論、学ばなければ思わなければ、意味のない指針で、学びもせず思いもせず強請るばかり、不平ばかりでは話になりません。同年輩の方は、ケネディのAsk notを思い出されるでしょう。

 今年も新年の風物詩、箱根駅伝の中継が行われています。襷を繋ぐという発想は日本特有のもので世界に類をみない競技と言われます。実際には、短距離ではリレーがありますし、徒弟制度は多くの国に認められますので、発想よりも鑑賞のし方に日本的なものがあると言った方が正確ではないかと思います。心模様を味わう能力は繊細で美しく豊かな世界を展開してくれますが、思わず学ばなければ襷を繋ぐことへの思い入れだけが空転し、実生活では連綿と続いてきたものを簡単に忘却し、安易な幻想が巷に溢れるような事態になりかねません。

 日本人はと一括りにすることには抵抗がありますし不正確ですが、学びや思いを軽んじ思い入れに流されるところが日本はエモーショナルで組み易しと見做される所以だと思います。しかし、別な流れが表に現れにくい底の方にあり、着実に大きくなっていると確信しています。マスメディアの既得権に寄った短絡的で単純化した報道に左右されず、学び思う人達が確実に増え動き始めていると見ています。

  学んで思わざれば則ち罔(くら)し思うて学ばざれば則ち殆(あやう)し 2011に自戒をこめて 

コメント (6)
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