夕刻になると毎日菜の花を摘む。摘んでも摘んでも翌日はもう蕾が膨らんで摘んでもらうのを待っているかのようだ。昨年は一面に開花したが今年は開花に至らない。小さな「菜の花畑」も風情があるが毎夜の皿の上に乗る「お浸し」には敵わない。
春休み。1泊2日でやって来た新・小3年生も摘んた。ブーツが汚れやしないかと気にしていたけれど、夢中になって小さなボールに一杯づつ摘んだ。洗って湯がいて水洗いして全部子供にさせた。色鮮やかに仕上がったお浸しは、甘く美味しくて「菜の花の印象が変わった」と妙に大人びた口調で言った。
翌日両親が迎えがてら来て、また菜の花を(お持ち帰りの分まで)摘んで子供らが料理した。そして自分達が摘んで料理したのだと得意になって出した。「特別に美味しい」と両親は満足の表情で頬張った。お家でお浸しを食べながら「貴方達のパパの初めての遠出」の寝物語や、映画「バッテリー」など2日間の様子はどんな風に報告されたのだろうか。畑の中央には大きな穴ぼこが出来てしまったケレド・・。
良寛か一休の歌だそうです。若菜、でいろいろ調べましたが歌も正しい引用かどうかわかりません。