玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*泣く子は育つ

2023年07月20日 | 捨て猫の独り言

 東京行きの飛行機がカナダのバンクーバー空港を飛び立とうとしていた。「こんにちわ、機内での暇つぶしにどうぞ!」と男性が小袋を配っていた。袋には金色の紙に包まれキャンディーと赤い耳栓。そして英文で書かれた小さな手紙が入っていた。

 「僕たちはリオとジョージ、2歳と生後8か月だよ。おじいちゃんとおばあちゃんに会いにいくんだ。飛行機はワクワクするけど緊張もしている。もしうるさすぎたら教えてね」手紙を配った夫婦はカナダ人のダニエルさん(38)と埼玉出身の女性(36)。カナダに移住前、日本の電車で子供の泣き声に舌打ちする乗客に出くわしたことがある。

  

 残念ながら日本は公園や幼稚園の子供の声がうるさいと排斥される社会になってきている。そのよう苦情を申し立てるのは高齢者が多いと聞く。子供の躾の問題よりも、まず高齢者の心のあり方を改善する必要があるように思う。少子高齢化が叫ばれて久しいが、明るい未来のためにもそのことが求められる。

 ことわざに「泣く子は育つ」とある。大声で泣く子は丈夫な証拠で元気に育つことを教えている。「赤子は泣き泣き育つ」「泣く子は利口」などは日本社会が健全であった頃の名残りだろうか。冒頭の新聞記事は小袋に入った手紙が機内の空気を柔らかにしたとある。しかしこのようなアイデアなしの子連れ旅ができる社会の方がいいに決まっている。

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