朝陽除けにゴーヤの苗4本を植え付けて2年目になる。連作で当初は成りが少なくなったかに思えていたけれど、ドンドン実をつけ悲鳴をあげんばかりだ。葉は生茂り、日毎に太るゴーヤの発見すら妨げる程なのだから。最近は夏の食材として日常料理に採り入れられつつあるが、あの独特の苦みを苦手とする人も少なくない。私はあらん限りの智恵を絞ってチャンプルーの他佃煮、ビーフン風、和え物、お浸し、サラダ仕立て、果ては日干しにして味噌漬け、保存用と試みている。
経験者なら容易に想像頂けようが、その成長は凄まじく、熟しかけた途端に夕刻にはもう全体が熟しているといった具合なのだ。従って収穫時を伸ばせず、グッドタイミングの貰い手が必要になる。そんな訳でご近所は勿論、職場やエアロビスク教室、ハーモニカ教室にせっせと運んでいる。幸いなことにそこに通う人々は同年代が多く、大抵は喜んでもらえる。若い方には簡単なレシピを口で添える時もある。
デイサービスで一番賑わうのは何と言っても昼食時だ。日課になっている公園までの散歩を終えてクーラーのきいた部屋に帰りホッとする。手を洗い、暖かいおしぼりで顔や手を拭く。ランチョンマットの上には炊きたてのご飯、みそ汁、メインデッシュ、小鉢、浅漬けが並べられる。利用者様、職員一同併せて15~25名揃って戴く。その際私が作ったゴーヤの佃煮や味噌漬けの3~4切れをご飯の上に乗っける。「これは何?」 「食べてみて・・!」となって、「どうやって作るの?」・・・などしばしの談議が続く。時々ではあるけれど、そうやって庭野菜で蕗味噌や蕗の佃煮、茗荷の酢漬け等持参し皆さんと戴くのも、私の楽しみの一つになっている。(ネットを這い上がり、折り返しが庭木を伝うゴーヤのツル)