玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*九州への旅①

2009年08月03日 | 捨て猫の独り言
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 電車のホームをそのつど尋ねながら大阪駅から別府行きのフェリー乗り場まで無駄なく辿りつくことができました。シルバー割引があって運賃が20%引きだったのはうれしい誤算でした。関西汽船のさんふらわあ号は黄昏ゆく神戸の町を右手にみながら航行して、1時間後には明石大橋の真下を通過して行きました。

 雨がぱらつく朝の別府港に定刻の6:40に到着すると、バスで駅近くにある昔から名高い竹瓦温泉に直行しました。入浴料はたったの100円です。42度の温度表示は偽りでお湯はかなりの高温です。入浴中の地元の人にアドバイスを受けながら高温のお湯に対処することができました。予定を変更して別府を早めに切り上げることにしました。そして噴き出す汗のまま豊後竹田行きの列車に飛び乗りました。

 竹田ではつぎの列車の出発まで3時間あります。史跡岡城跡を目指して歩き始めました。岡城は東西に延びる台地上に展開する山城です。ところが大手門の手前で雨は本降りになってきました。とにかく本丸跡までは登らねばなりません。しかし雨はいよいよ激しくあたりは暗さを増して人影は全くありません。本丸跡からは断崖絶壁が見下ろすことができました。心細くなりながらも城内の坂道を下ると、雨水が山側の溝にみごとに集められ、しぶきをあげながら駆け下っていきます。晴れの日にはまず気付くことはないであろう先人の土木技術です。

 駅に戻って一息つくと、リュックの中の手帳や衣類などがたっぷり雨水を含んでいることに気付きました。雨は断続的に降り続いていましたがとりあえず宮地行きは定刻に出発しました。ところが2駅めの肥後荻駅で列車はストップします。この駅で高校生数人が下車して、取り残されたのは私を含めた若くはない男3人でした。運転手はタクシーでの代替輸送を本部に申請中と私達を宥めます。私は濡れた衣服に体温を奪われていることに気付きながら、列車はその後3時間も動くことはありませんでした。閉じ込められた乗客の一人は青森からの人でした。もと中学の英語教師で日本全国100の城巡りを目標にしています。MLBのRソックス贔屓でヤンキース戦のエルズベリーのホームスチールの話題などで2人は盛り上がりました。衆議院が解散になり、山口県では5人死亡8人不明の大雨被害が出た日です。

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