いつものように朝日新聞の高橋純子編集委員が執筆する9・28「多事奏論」を切り抜いた。多事奏論の執筆者は他にもいるがこの人の書いたものだけは欠かさず目を通すことにしている。魅力はとにかく歯切れの良さである。「男はつらいよ」の寅さんが使う啖呵売での口上のセリフを聴く痛快さに通じる。
彼女については、最終学歴を公開していない、反日、反安倍、文章へたくそ、朝日だから編集委員やれてるなどと腰が引けたような反論がネット上で散見される。それだけ突破力のある文章だということの証明かもしれない。この日のお題は「国葬と岸田首相 実にこわい 剣ヶ峰で気概なし」だった。
「岸田首相はそもそも安全運転だっただろうか?違うな。確かにスピードは全く出ていない。だが、ふらふらと右に寄ったり左に寄ったり、ウインカーを出しつつ直進を続けたり、なんでいま?というタイミングでアクセルを、どうしてここで?な場所でブレーキを踏んだりする。周りがよくみえていないのか、はなから見ちゃいないのか、状況と動作がかみあっておらず、何をどうしたいのか意図がさっぱり読めない。これは実に地味にこわい」
「社会の分断をもたらす国葬を実施した首相の罪は重い。だからこそあえて一つ提案したい。自ら先頭に立って安倍氏を盛大に悼んだことを奇貨として安倍政治との決別を宣言し、国葬を新たな出発の機会と位置づけてしまってはいかがか。今となっては唯一の、意味のある国葬の使い道であり、首相にとって、日本の政治にとっても起死回生のラストチャンスかもしれない。勝負に出る価値は十分あると考えるがどうだろう?・・・って、答えは聞かなくてもわかる、ような気がする」
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