彼の国の消費社会は万人の知るところ。然りであった。日本では幼子2人を持つ娘の家にしばしば出かけ、婿殿が家事を手伝っている様子が冷蔵庫の中から窺い知れ、それはそれで”マアいいか”と感じてもいたのだが、家族中で・・・となれば話は全く別である。
娘曰く、「メニュー通りに材料を一から買う人達ナノ。ひどい時にはそれ用の鍋までネッ!」 という習性を聞いていた私は、彼らが夫々に食材、調味料を調達し使用した結果を、その一家の台所に見たのだった。
そんな状況下で、”余計な物は買わない主義”を通そうと念じていた娘は、日本から船便で届く家財道具の到着が、引越しの一週間後とあってアレもコレも買わずにいた。同じ思いの私も少ない道具にガマンし、ナイナイ尽くしのフライパンで、昼、日本から届いていたラーメンを作り”栄養”を考えて卵を落とした。「賞味期限なんか考えてないから、よ~く火を通してッ」 と娘は当然の注文をした。「底の浅いフライパンでどうすれば完熟が出来る?」 睡眠不足でヘトヘトになっていた私は終に「目的は達成したから帰るッ!自分でやってみれば判るわッ!自分デッ!」 となったのでした。