高校野球の魅力は、負けたらつぎはないトーナメント戦のもつ緊迫感にあると思う。どんな組み合わせの試合であっても、とくに初回の攻防を見るのが好きだ。郷土のチームでない時は、その後の試合展開を予想しながらテレビの前を離れることが多い。
水色のユニフォームの滋賀の近江は優勝候補の大阪桐蔭を破ってベスト4に進出した。近江の副校長でもある多賀監督(61歳)を以前から注目していた。なぜならオープンギャラリーの鈴木忠司さんにそっくりの容貌だからだ。鈴木さんに電話してそのことを伝えようかと迷ったほどだ。
福井の敦賀気比に「吉崎空」という名の選手がいた。「空」からは「色即是空・空即是色」を、「吉崎」からは浄土真宗中興の祖・蓮如上人の「吉崎御坊」(福井と石川の県境にある)を連想した。「空」はおそらく「そら」と呼ぶのだろう。新聞の出場選手名鑑を調べてみると「空」という名を持つ選手がほかに3名いた。
全チームの選手名を眺めていると漢和辞典が必要だ。派手で読みのむずかしい「キラキラネーム」もある。某生命保険会社が発表する「生まれ年別の名前調査」はなかなか興味深い。コロナ感染で宮崎商と東北学院が開催中に辞退した。宮崎商に不戦勝したのが優勝した智弁和歌山だった。不戦勝、不戦敗は史上初のことだ。
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