玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*磐梯山①

2023年10月09日 | 捨て猫の独り言

 猫魔温泉とはなんと珍妙な呼び名だろう。地図をよく見ると福島県のシンボルの一つ磐梯山の西に猫魔ヶ嶽があった。郡山駅から磐越西線に乗り換え、「猪苗代駅」からバスで30分の「裏磐梯」にある温泉だ。五色沼自然探勝路が近くにあり、桧原湖がすぐそこに見えるホテルに2泊した。

 磐越線とは磐城の国と越後の国を結ぶ路線である。「郡山」から日本海側の新潟県「新津」までを磐越西線、「郡山」から太平洋側の福島県「いわき」までが磐越東線だ。郡山から猪苗代駅(標高500m)へは会津若松行きのワンマンカ―で40分かかる。五色沼のある福島県耶麻郡北塩原村の標高は800mである。

 かなり古い火山活動で磐梯山の山体崩壊がくりかえされ猪苗代盆地が堰き止められ猪苗代湖が出現した。さらに1888年(明治21)には水蒸気爆発による山体崩壊で磐梯山の北麓の集落が埋没し死者477人をだす近代日本の初の大災害となった。その際に岩屑なだれが川をせき止め、数多くの湖沼が形成された。桧原湖などの大きい湖に挟まれるように点在する大小の沼が裏磐梯の五色沼である。

 磐梯山の南側(表磐梯)から見る山体は整った形をしているように見えるが、北側(裏磐梯)から見ると、一変して山体崩壊の跡の荒々しい姿を見せる。裏富士や裏桜島はないのに裏磐梯という呼び名が定着した訳が今回の旅で納得できた気がした。

コメント
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