玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*新日本風土記

2022年10月20日 | 捨て猫の独り言

 NHKBSの14日(金)の新日本風土記の「再会絶景鉄道」を録画して見た。あの2011年東日本大震災と同じ年の福島・新潟豪雨被害で11年間一部不通となっていたJR只見線が10月1日に全線開通した日の様子を中心に、沿線の人々のこれまでの暮らしを紹介していた。(シュウメイギク)

 

 まだ一部不通だったときの只見線に関する番組を見たことがある。それは郷土写真家が撮り続けてきた只見線の写真をSNSで発信したことが契機となって外国人観光客が鄙びた集落を訪れるようになった。特に雪のない東南アジアの人々にとって、雪に埋もれるように走る列車の姿は「ロマンチックな鉄道」と映ったようだという番組だった。

 「風土記」でも、この写真家は登場するのだが観光という観点は背景に退き、大正時代の会津線開通に始まり、徐々に六十里越しトンネルから新潟へと路線を伸ばしていったこと、田野倉ダムの建設で湖底に沈んだ集落、またダム景気の賑わいは一時的なものだったこと、最後のマタギ、沼沢湖のヒメマス養殖など地域の歴史を中心に紹介していた。

 退職した元駅長さんが昔を懐かしんで「出発、信号機よし、お客なし」と言って笑わせたり、不通区間の代行バス運行終了のセレモニーの様子も放映された。只見線の復活は、便利さやコスパじゃ計れないものを願う人々の熱意が奇跡を生んだのだ。また朝日新聞では17日の夕刊から「お帰り只見線」の連載が始まった。登場人物が風土記とダブルのは仕方がない。

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