初めて見たつる性の植物だった。その名を知ったのは町田市にある武相荘(旧白洲邸)を尋ねた時で、係りの女性は「オキナワスズメウリ」と教えてくれた。グリーンカーテンになっていて、そこには2×3㎝サイズで、緑に白の縞入りの実がぶら下がっていた。あまりの愛らしさに、こっそり2個持ち帰ったところ、しばらくしてその実が真っ赤に色付いたことを思い出した。
思い出したのは、この10月中旬に家人の古い友人がスズメウリのリース飾りを届けてくれたからである。彼女は以前に我が家に寸法を測りに来て、布で長椅子のカバーを巧みに作ってくれた人だ。それから家族連れで映画館で会い、簡単に挨拶を交わしたことがあった。家人は最近彼女を誘って観劇に二人で出かけている。静かな人で玄関先で言葉少なにリースをおいて帰られた。私は3度お会いしたことになる。
しばらくして彼女の思いが理解できたような気がした。スズメウリはつるから自然に実が落ちることはがないので、ハロウィンリースやクリスマスリースなどの飾りつけになる。今やアメリカの民間行事になっているハロウィーンは10月31日である。リースの縞入りの実は日ごとに一つ二つと色づきつつある。孫たちのアトランタではかぼちゃで、小平ではスズメウリでハロウィーンという粋な計らいと思えた。
スズメより大きいカラスの名がついているカラスウリはよく知られている。冬枯れの景色の中で5×7㎝サイズの朱色の実がよく目立つ。調べてみるとカラスウリは夏の夜だけ開く花で知られていて、それはレース状の白いきれいな花だという。一度は見てみたいものだ。「琉球おもちゃ瓜」の別名のあるオキナワスズメウリは一年草だがカラスウリは多年草だという。