玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*シンギュラリティ

2016年04月07日 | 捨て猫の独り言

 「最強棋士が囲碁の人工知能に敗れた」というニュースが世界中を駆け巡った。通算成績は1勝4敗だった。人工知能(AI)との対戦ではチェス、将棋で人間が敗れ、最後の砦といわれていた囲碁が、これほど早く陥落することを予想する人はいなかった。囲碁のプロに勝つには10年後と言われていただけにその衝撃は大きい。この対局を解説していた高尾紳路九段が日経ビジネスに緊急寄稿している。(4月2日は 自転車で立川から国立へ)

 

 その記事のタイトルは「高尾九段の見たシンギュラリティの風景」となっていた。ネットで技術的特異点(シンギュラリティ)を調べると「人工知能が人間の能力を超えることで起こる出来事」とある。手もとの日本語辞典で「特異点」を引くと「数学で曲線・関数・微分方程式などにおいて他にくらべ特異な形態を示すところ」とある。また科学雑誌で「密度が無限大となるブラックホールの特異点」という文言を見ることがある。

 高尾九段は「素直に人工知能が人間を超えたと言ってよいと思う。しかし人工知能が必勝法を発見できたわけでもない。アルファ碁がくれた人間の固定観念になかった発想は、大きな刺激となった。我々は囲碁の真理に近づくのと同時に、人工知能の隠れた弱点をさらに引き出し、改善してもらうことができる。お互いに切磋琢磨してより高次元の勝負をみせられるようになればよい」と寄稿している。

 また高尾九段のブログ「たかお日記」には「五番勝負をリアルタイムで見ていて、一手一手、こんなにドキドキしたのは初めて。アルファ碁の独創的な手に、ワクワクしたし、李九段が身を捩じらせながら決死の覚悟で戦う姿に、胸を打たれました。プロになって、はや四半世紀、何となく仕事として、惰性で碁を打っていたかも。碁は、こんなにも楽しくて、魅力あるゲームなんですね。忘れていた感覚が少し、よみがえりました」と記している。

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