玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*小平アートサイト

2015年11月23日 | 捨て猫の独り言

 小平アートサイトは武蔵野美術大学の主に彫刻学科の学生によって運営されるアートイベントだ。小平野外彫刻展として始まり今年で29回目を迎える。11月14日から10日間中央公園を中心に4つの会場で展示がある。中央公園のテントの受付は学生が交代で詰めて、パンフレットを配布している。今年のテーマは「異彩」で、作者と鑑賞者の異なる視点を通し両者のよい関係を築くきっかけにしたいという。またこの時期は六本木の国立新美術館で「日展」が開催されている。そのうちこれも見学するつもりだ。

 美大生のどんな力作に出会えるか毎回カメラ持参で見て回る。今回は他大学の出品は1点だけだった。全部で35の作品の中から、ここでは6つ選んで作品名と作者のコメントを紹介したい。写真の順に①「象さまのお座り(樟)」伊藤若冲が描く象をモチーフとしました。ねずみのような大きな耳、口の中から伸びた牙・・・若冲のとおい日に見た記憶の象。②「乙KAPPA(石)」空が暗くなってくると仕事帰りの人々が駅から出てくる。河童さんはそんな頑張る人々を見守っている。毎日お疲れさまの気持ちを込めて。

 

 ③「取りこみ(石膏、苔)」大気を吸い込んだものは体の一部となって現れる。④「虎と龍と貴方(木材、アクリル絵の具)」けむたい夜の中の薄い空気だからどこかの虎の子はツヤツヤしたコガネ色の毛並みを揺るがせて、どこかの龍の子は首をかしげながら漂うように飛んでいて、ぼくにはそれが限りない波のようにも思えるし、途絶えることのない雲のようにも思えるのです。

  

 ⑤「野生の時計(市販の時計、FRP、石膏テープ、紙粘土、木の棒)」時計は静的でありながら、動的な存在でもある。それは、一つの場所に二つ以上置かれる事は無いため、複数の時計の存在は、人に普段とは異なるあつかいを要求する、独特の場を形成する力がある様に思える。この作品はその特性を利用したもの。⑥「みてる(キャンパス、アクリル絵の具)」目線を意識した作品です。好きになれないもの嫌いになれないもの。

コメント
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