玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*10月2日と3日

2013年10月08日 | 捨て猫の独り言

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 式年遷宮の年である。2日の午後には安倍首相をはじめとして閣僚が「遷御の儀」に参列した。打ち揃って参道を神妙な面持ちで歩く写真を見て、なにやらおかしく、なにやら情けない気分になった。政治と宗教の分離という原則に抵触しないのか。最近では首相の正月の伊勢参りは定着して年中行事の初詣なのだと違和感もない。しかし今回の「遷御の儀」の参拝を私的というのは無理があるのではないか。

 靖国神社問題は気分の重くなる話題だ。中国や韓国などがA級戦犯が合祀されて「侵略戦争を正当化する」として首相の公式参拝に反発している。一方で私人には信教の自由があるのだから「私的参拝」なら問題ないという逃げ道が考えられた。首相の公式参拝が内外から問題視されないようにする手だてはないのか。

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 その方策として、これまで検討されてきたのが、A級戦犯の分祀と、無宗教の国立追悼施設の建設だ。政教分離の原則がある以上靖国神社の意向に反して、政府が分祀を強制することは不可能だ。分祀構想は立ち消えになった。ここでは政教分離が都合よく使われている。自民党内には「靖国神社が形骸化する」として新施設の建設に反対論が根強く提言は宙に浮いたままである。

 3日にはアメリカのケリー国務長官とヘーゲル国防長官の二人がアメリカの閣僚として初めて千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れ、献花を行った。このことを私は翌日の夕方に民放のラジオで知った。これを各紙がどのように扱っているか興味をもち、図書館で4日付の新聞を調べてみた。予想に反してS紙が一面の中央に献花の写真を2枚も載せている。しかし「関係強化のために献花」とあるのは、なんだか見当違いの解説と私は感じた。A紙は2面で扱い、写真入りで「同床異夢」の見出しがついていた。大きく取り上げていたのは、この2紙だけだった。(写真は蕎麦に蝶と蜻蛉)

コメント
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