玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*二十四節気の雨水

2011年02月21日 | 玉川上水の四季

 先日包丁で負傷した左手親指の傷あとは圧迫すると米粒より少し大きめのしこりになっている。内側から盛り上がってそこだけのっぺらぼうになってつやつやと光っている。このように人体の機能には回復できることもあるがそうでないものもある。現在私が困っているは片方の眼の視野が大幅に失われたことによる眼精疲労だ。これは回復しそうにない。つまりうまく付き合うしかないと覚悟している。テレビなどを見ていて、ああこの方も片目が不自由なのだと気付くことがある。そんな時はその境遇にならないと人はその痛みを知ることができないものだと一人奇妙な感慨にふける。

 二十四節気の雨水(2月19日)の日に雛人形を飾った。男雛と女雛だけの飾である。これからは毎年飾ることにしよう。今では二人の女の子の母親となった娘の初節句にと、遠い昔に親から届いた雛人形である。屏風の前に男雛は束帯姿で、女雛は十二単(ひとえ)である。二人の前には行器(ほかい)という丸い筒形に外ぞりの脚がついた平安時代の食物入れが置かれている。ひな祭りの日まで飾ると、まもなく啓蟄(3月6日)を迎える。その雨水の日は花粉症でくしゃみの連発に苦しんだ。今年の花粉の量は半端でないとの予報だ。毎年のことだが私には試練の季節だ。

 庭のチンゲン菜をヒヨドリが番(つがい)で食べに来る。我家のチンゲン菜は人と鳥が半々に分けあった勘定になる。農家のブロッコリー畑にヒヨドリの群れが来ているのを目撃したのは最近のことだ。この時期には多く人家の野菜畑が小鳥たちの餌場らしい。昨日のオープンギャラリー「雨水」のミニ観察は府中街道と五日市街道の交わる二ッ塚交差点付近であった。かつて五日市街道の南側に沿って砂川用水が流れていた。その痕跡がはっきり残っているのを見ることができる。二ッ塚付近にはまだ農家の屋敷林が残り、ケヤキの大木に囲まれ南に広がる畑には紅白の梅、サンシュユにマンサクなど早春に咲く樹木が植えられていた。春の七草のハコベも見える。

 帰路は小平市の「ふれあい下水道館」に入る。主催者の最初の予定には無かったことだ。地下25メートルに埋められている下水道管の中に入り、実際に下水の色やにおいなどを体感できる全国でも初めての施設である。螺旋階段を地下5階まで下りながら関東平野におけるローム層そして、さらにその下へと続く地層の様子を観察できるようになっている。階段を降りながら見る柱状のこの展示に注目する人は意外と少ないようだ。外に出て農家の梅林を覗くと、咲き誇るいろいろな種類の梅の木にメジロの群れが飛び交うのを見た。いちどきにこれほどの数のメジロを見たのは初めてだった。鈴木さんの2冊目のオープンギャラリーの新型パンフレットは厚手の表紙が追加され、1冊目より記事も一つ増えた。鈴木さんは日々精進されているようだ。私の方は一人であっても玉川上水散策に出かけるべきなのだが、ついつい引きこもりがちな生活を送っている。

コメント (2)
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