玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*八月納涼大歌舞伎

2008年09月03日 | 捨て猫の独り言

 この年歳になって初めて歌舞伎なるものを見た。一等席が半額(六千円)という券を2枚手に入れて8月21日に出かけた。第一部の開演は午前11時である。強い日差しの中を有楽町駅から晴海通りを中央区銀座の歌舞伎座に向かった。歌舞伎座は明治22年の開場であるから今年で120年になるという。最も安いのは3階B席で二千円だという。

 2階の4扉から入る。着席すると膝が前の椅子に触れて窮屈だ。中ほどの席に入るとかなり圧迫感がある。この椅子は明治時代からのものかと考えたりしたが誰かに聞くのも面倒である。できるだけ白紙の状態で初めての歌舞伎を感受したい。そこでイヤホンガイドの受信器の利用は最小限に止めた。

 第一部の演目は 「女暫(おんなしばらく)」 と 「三人連獅子」 と 「らくだ」 であった。第二部は2時45分で第三部は6時15分の開演である。どの部の演目もすべて異なっている。私の見た 「女暫」 は古典歌舞伎で物語のあらすじは理解できない。衣装や所作に目を凝らしていた。その後の30分の幕間に歌舞伎座の外のドトールコーヒーで軽い食事をしてあわただしく席に戻った。なんと無粋だったことか。

 歌舞伎座でこんな作品を見るとは思ってもいなかったのが 「らくだ」である。らくだと仇名される馬太郎(亀蔵)は河豚の毒にあたって頓死する。遊び人の半次(三津五郎)は通りかかった紙屑買の久六(勘三郎)に死体を担がせて家主とその女房を脅して弔い金を用立てる。死体を前にして二人が重なって踊り、場内は異様な大爆笑に包まれる。そして半次と久六は酒盛りを始める・・・・・・。落語種の作品である。後日つぎのような新聞記事にも目がいくようになった。「歌舞伎に染まる東京。9月4劇場で多彩な作品」 4劇場というのは歌舞伎座、新橋演舞場、赤坂ACTシアター、三越劇場である。

コメント (2)
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