再びフランス人Jさんですが、彼女の仕事は翻訳家(一応会社に所属していると思います)。
現在は育児休業中です。
フランスでは産後比較的早い時期に仕事に復帰する人が多いのですが、彼女は「Sちゃんを見ず知らずの人に預ける踏ん切りがつかなかった」ということもあって、仕事は完全休業。一応、Sちゃんが幼稚園に行くようになったら、パートタイムで仕事を始めようとしています。
スペインのベゴーニャさんも1人娘さんのお母さん。彼女のお嬢さんはもう18歳ですが、彼女は仕事が歯科医ということもあって、お嬢さんが小さいころは専業主婦となり、お嬢さんの手が掛からなくなった頃(確か小学校に上がる頃と言っていたような。)に仕事を再開しました。
そういえば、フランスで暮らすニューカレドニア人のバネッサさんの仕事はスタイリスト(デザインもしているらしい)とレストランの仕事。今2歳の子育て中で完全休業中。
この3人は専門技術を持っているからまだ3年~6年程度も仕事を休んでも同じ仕事に復帰できるということもありますが、こうした「『数年間仕事を休んで子育てに専念、子どもに手が掛からなくなったら復帰』というのが許されたらよいのに・・・。」と思うお母さんたち、日本にもたくさんいることでしょう。
私は「3歳までは母親が子どもの面倒を見るべきである」とまでは言いませんが、小さい子どもと一緒にいる時間の貴重さ(子どもを1人しか持たない母親はこの体験ができる期間は一度だけ。)は大抵の母親は知っていて、そして小さな子どもも、大好きな母親と一緒に過ごす時間は幸せだと思います。
しかし現実は職場を一旦離れたら同じところで働けなくなるということで、(子どもが小さい間は一緒にいたいと思っている母親も)数少ない託児所探しに苦労し、職場復帰。
職場も、ワークシェアリング等を使って、州数日勤務、短時間労働を認めてくれるわけではないので9時から5時までフルタイムで仕事。
子どもが熱を出して休みを取ると嫌味を言う同僚がいたりする。嫌味は言う人がいなくても、自ら「職場に迷惑をかけられない」と無理をするケースも。
(子どもが病気で無理をして仕事にでたものの、子どもは高熱(もしくは髄膜炎)で、結果障害を負ってしまったというケースが私の身近にありました。だから、何を犠牲にしても、子どもがおかしいと思ったら、子どもを優先させて欲しいと私は思います。)
「女性に社会進出を」「だけど少子対策を」という国が託児所不足を解消させないこともおかしいとは思いますが、『託児所』だけでなく、『専門職や特別な能力がある人だけでなく、もう少し仕事と育児の両立をフレキシブルにできる社会』を作ることを検討しないこと、これについて母親からの声が聞こえないことが、ちょっと不思議です。
フランスでは育児休業後の社会復帰の為の解雇はできないらしいですし、ドイツでは仕事を辞め家で育児を家でする人に対して手厚い保障があります(これは、「女性の社会進出を妨げる」とか、高収入の人の手当ほど割が良い、とか批判が多いようではありますが、それでも収入が低い家庭で無理に働かなければならない母親の場合はありがたいと思う。)。
また、日本は短時間労働者に対しての差別問題(賃金の違い)もありますが、それであっても育児中の親(母親に限らず)へのワークシェアリング制度も導入なども、もっと企業に取り入れてもらうようにしたらどうかと思うのですが、どうでしょう。