新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

建設機械の排ガスはかなり臭い

2011-01-20 06:17:09 | タウンウオッチング

帰省したり旅行した時、バスや大型トラックの排ガスが臭くて、「そういえば、首都圏じゃこんな臭いがなくなったなぁ」と感じます。
これというのも、約10年前の2001年に東京都が公害防止条例を改正して東京都独自の排ガス規制を始め、これが首都圏の8都県市(現在は相模原市が加わって9都県市)に広がったことが大きい


首都圏では、走るバスや大型トラックがこんなステッカーを貼っています。

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基準を満たさないクルマは期限を区切って車検を更新できないといったある意味強硬手段をとった結果(これだけではないと思いますが)、首都圏の大気は格段の改善を実現したようです。
1月18日の毎日jpに、「東京のすす:7年で3分の1 排ガス対策が効果…東大調査」としてこんな記事が載っていました。


東京大先端科学技術研究センターは17日、東京都内で開かれたシンポジウムで、ディーゼル車の排ガスに含まれぜんそくなどの原因とされるブラックカーボン(すす)の都心における10年の濃度が、03年から7年で3分の1以下に減ったとする調査結果を報告した。《中略》
報告者の近藤豊教授(地球大気環境科学)によると、東京の濃度はアジア諸国で際立って低いという。すすは健康被害のほか、地球温暖化の原因物質とも指摘されるが、近藤教授は「7年間で3分の1は驚くべき削減量。同じ対策を世界規模で講じれば、地球温暖化の抑制効果も期待できる」と強調した。


だそうです。
私の計算によれば、「7年間で3分の1」にするためには、平均15%づつ減らさなければなりません。1回だけならば▲15%も頑張ればなんとかなりますが、これを7年間続けるというのは相当なことです。
これができたということだけでも(失礼)、石原都知事は後世に名を残すような気がしています。


asahi.comに載った似たような記事「富士山116日も見えた 大気浄化・乾燥化要因 武蔵野」では、


 (成蹊高校・中学の観測所が)観測を始めたのは63年。工場からの煙や自動車の排ガスで、大気汚染が社会問題になっていたころだ。65年は年間で22日しか富士山が見えず、最少記録となっている。
 「東京に青空を」と訴えて美濃部亮吉知事が初当選したのが67年。公害対策に取り組んだ成果か、富士見日数は70年代から増加傾向に。石原慎太郎都知事が就任した99年、初めて年間100日を超えた。一昨年には、ディーゼル車の排ガス規制も強化された。


と、美濃部都政の公害対策が奏功して、石原都政の時代に花が開いたっぽく、いかにも「朝日的」な書き方(私は美濃部知事の反道路政策が今にもつづく大きな禍根を残したと考えています)になっていますが、特にここ数年、首都圏の大気が良くなってきていることは否定できないでしょう。


   


ところが、首都圏でも、昔懐かしい(?)排ガス臭が漂っている場所があります。


それは、工事現場


こちらの記事に書いたように、自宅の最寄り駅周辺では再開発事業が真っ盛りです。で、毎朝、駅に向かう時に、たぁ~っぷりと排ガス臭を味わっています
そして、職場最寄り駅の東京駅に着くと、こちらも丸の内駅舎の復原工事が真っ盛りで、やかましいし、そして、臭い


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私は1分足らずを我慢すれば済む話ですけれど、上の写真の丸の内北口改札前は、よく、近郊のツアーに参加する人たちの待ち合わせ場所になっています。添乗員さんとか早く着いてしまったツアー参加者には厳しい環境だと思います(みどりの窓口は空調完備か?)。


ナンバーをとって、道路を走れる建設機械にはバスやトラックと同様に排ガス規制が適用されるのだろうと想像がつきますが、トラックに載せて現場に持ち込まれる建設機械や発電機の排ガス規制はどうなっているのだろうかと疑問に思って調べてみました。


すると、国交省のHPにこんなのがありました。


建設施工における環境対策 排出ガス対策


ぱっと見るとどこから手をつけたらよいのか目がくらみます

ですが、丁寧に見ていくと、2006年10月1日に施行された、通称:オフロード法という、名前を聞いただけではどんな分野のどんな性格の法律なのか判らない法律があることが判りました。

オフロード法の正式な名前は「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」で、ブルドーザーとかフォークリフトとか農業用トラクターやコンバインのような「特定特殊自動車」の排ガスを規制しようというもの。対象となる「特定特殊自動車」は、国交省作成の参考資料(PDF)によると下図のとおりです。


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それはそれで結構なことなのですが、オフロード法施行以降は規制に適合した「特定特殊自動車」しか使えないかというとそんなことはなく、去年まで規制に適合していないモノも製造OKでした。


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しかも、上に示したのは、「特定特殊自動車」の新車製造と使用開始のスケジュールで、以前から使用していた「特定特殊自動車」は現在も使用可能です。
いったい規制適合車に入れ替わるまで何年かかるのでしょうか?

上に書いた8都県市のバスやトラックの排ガス規制は、「古いクルマは車検を通せない」というワザで、旧車を首都圏から追い出した(その結果、古いクルマは廃車されるだけでなく、その他の地域に出て行ったのもある)わけですが、「特定特殊自動車」にはそんなワザは通用しません。

しかも、同僚の情報によりますと、3~5年前は発展途上国で建設機械の需要が盛り上がって中古の建設機械が盛んに輸出された(代わって国内では新型に入れ替わった)ものの、リーマン・ショック以降は急激に中古の建設機械の輸出が冷え込んでしまったのだとか。


う~む、、、です。


ところで、ブルドーザーや杭打ち機のような「特定特殊自動車」は、一応、オフロード法で製造・使用開始にたががはめられているわけですが、発電機のようなオフロード法の対象外の機械はどうなっているのでしょうか?


見つけました


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排出ガス対策型建設機械指定制度」というのがあるようです。
でも、「直轄工事での使用原則化低利の融資制度などにより、環境にやさしい建設機械の普及を図っていきます」ではぬるすぎませんか?


工事現場近くに自宅や職場がある人たち以上に、現場で働く人たちの健康のため、もっと強制力をもって建設機械を更新していくべきじゃなかろうかと思います。
公共事業がどんどん減るこのご時世、建設業も大変でしょうが、頑張って設備投資していただきたいものです。

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2 コメント

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ついつい何ページもブログを読み直してしまいます♪ (新潟|上越市・上越の美容院からコメント)
2011-01-20 22:34:17
ついつい何ページもブログを読み直してしまいます♪
返信する
上越の美容院さん (徒然煙草)
2011-01-20 23:16:34
上越の美容院さん



コメントをありがとうございます。


ですが、申しわけありませんけれど、URLを削除させていただきました。
こんなポリシーのブログですが、よろしければまたお立ち寄りください。
返信する

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