ようやくMISIAのことを書くところまできました。
6ヶ月半に及ぶ大ツアー、その間、常にコンサートが開催されたわけではないにしろ、MISIAの体調管理はうまくいったのではないでしょうか。台湾公演直後、病気になったという情報がありましたけれど(個人的には信憑性の高い情報だと思っています)、その2週間後のシンガポール公演は無事に行われたようですし、少なくともEIGHth WORLDツアーの時のような大事には至らなかったのは、ホントによかった。
ライヴの終盤や、"2 days"の二日目に疲れが感じられることはあったものの、それはそれで、「MISIA熱唱の証し」として、私の心にずし~んと響いたのでありました。とりわけ、前半から飛ばしっぱなしだった仙台公演(MISIAのファーストシングルの発売記念日)での「つつみ込むように…」は来たなぁ~。この時ばかりは声を振り絞って歌うMISIA、そして、フォローするような聴衆の大合唱、ほんと…。
また、MISIA初の3daysとなった武道館は、正直、かなりMISIAの喉がもつか心配だったのですが、杞憂に終わりました。空気がカラカラで、風邪とインフルエンザが大流行中のこの時期(私も珍しくインフルエンザに罹り、その前1週間はほとんどダウン状態でした)、よくぞ体調を維持して、そして絶妙のペース配分をしたものだと感服します。
ペース配分といっても手を抜いたわけではなく、例えば、武道館2日目のMISIAは、それまで過去最高のデキだと思っているTHE SINGER SHOWツアーの広島公演に勝るとも劣らない素晴らしいパフォーマンスだったと思います。しかも、THE SINGER SHOWツアーの時は、その後、MISIAがかなり辛い状況に陥ったりもしたのに比べて、今回は一定以上のレベル(当然、シンガー一般としては相当な高レベル)を最後まで維持できたのは、凄いことだと思います。
ここで思い出したのが、瀧川鯉昇さんの落語「長屋の花見」でのマクラです。再録すればこんな具合。
今日は私どもも昼からでございまして、これで四席目でございまして…。
力の配分というのが、これが結構気を使うもんでございましてね。お昼にあんまりしゃかりきになると、とてもここまでもたないわけでございまして、まぁ、はっきり言いますと、昼間の方は本当に力が抜けていたわけでございます。
ところが、不思議なもんでございましてねぇ、昼席で力を抜いて働くと、その癖が夜まで残るわけでございまして、なんか未だに力が入らないままででございますが・・・。
そんなもんなんでしょうなぁ。
細心のペース配分をしつつ、手を抜かない、そんなMISIAをますますrespectです。
「MISIAは、CDで聴くよりも生で聴く方が凄い」という感想を良く見聞きします。いつも同様に、今回のツアーでもMISIAはそうでした。
どうしてなんでしょうねぇ。
私はiPodにMISIAの全アルバム&シングルを入れてまして、よくそれをシャッフルで聴くのですが、確かにスタジオ録音よりもライヴ収録の方が良いバージョンが多いです。「圧縮音源」で聴き比べてもそうなのですから、ましてや生のアナログで目の当たりにするMISIAの歌声ときたら、もう…。
武道館初日&2日目の「LOVE TRULY」や「約束の翼」で顕著だった歌声の厚み(あり得るすべての倍音が響く感じ)、何度も聴けた「少しずつ 大切に」の温かさ、大阪セミファイナルでの「Yes Forever」の清冽さ、大阪ファイナルでの「It's just love」の自然さ…。
こんな傑出したシンガーと同時代を生きることができて、そのパフォーマンスを生で見聴きできる幸せを感じました。いや、大げさではなく、ホント、そう思いました。そう思わせるMISIAの歌声でした。
かなり以前、スーパーボウルのハーフタイムショーで歌う黒人シンガーの声を聴いて(もちろんTV放送)感動して、「『あ~~』って声を出すだけで聴衆を感動させるなんて、黒人シンガーにしかできないんじゃなかろうか」なんて思ったことがありました。でも、今、「声を出すだけで聴衆を感動させることができる日本人シンガーっている?」と聞かれたら、自信を持って答えますよ、「いるよ。MISIAのライヴを聞いてごらん」と。
なんだか、DISCOTHEQUE ASIAツアーでのMISIAに限った話でないことばかりを書いている感じですね。
でも、ちょっと飲んだビールが効いてしまって、冷静に書けない状況に近づいていますので、きょうはこの辺で止めといて、後日、続きを書きます。
つづき:2009/03/26 THE TOUR OF MISIA DISCOTHEQUE ASIAの総括(その5)