何年か前、ある会で安倍昭恵氏が挨拶をされるのを聴く機会がありました。
挨拶の途中、言い間違いをしたことに気づいた安倍昭恵氏は、「ごめんなさい。間違えました」と謝りました。
それで私は、この人は誠実な人だなと好感を持ったわけです。
安倍昭恵氏は、貧困、差別、LGBT、女性、子供、難民、原発、平和といった人権問題や社会問題に関わり、発言しているところに共感を持てます。
しかし、その一方で、『歴史通』で「アッキーのスマイル対談」を連載していたり、森友学園問題をめぐる発言や行動にはうなずけないものがあります。
毎日新聞にこんなことが書かれてありました。
昭恵氏から指名を受けてインタビューをしたことのある東京工業大の西田亮介准教授(社会学)は「イデオロギーや思想は感じられなかったが、直感的でスピリチュアルなものへの共感が強く、サブカル的、オカルト的なところがある不思議な人だった」と振り返る。「本人に悪意はなく、ありのままに生きているのだろうが、ある程度の政治的影響力があることを考えれば脇が甘かったと言えるだろう」と話した。(毎日新聞2017年3月24日)
そこで、社会学者・西田亮介氏による安倍昭恵氏へのインタビュー(対談)である、BLOGOS編集部「日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる」(2016年11月9日)を読んでみたら、安倍昭恵という人が何となくわかった気がしました。
「ある程度の政治的影響力がある」ということ。
松井三郎氏(京都大学名誉教授)が「アフリカにおける勿体ない実践成功例」という講演で、ケニアでエコサントイレを作ろうとして外務省と交渉したけどダメだったことを話しています。
エコサントイレの必要性は認めますが、鶴の一声で助成金を出す力が自分にはあることを安倍昭恵氏はどのように考えているのか。
森友学園にも「夫婦のホットライン」が使われたと思われても仕方ない。
すべて善意だとは思いますが。
「直感的」ということについて。
安倍:「直感的にお会いしたいと思いました」っていうそれだけで。ほぼ直感で生きているので。
西田:「ほぼ」というのは、どういうことですか?
安倍:「深く考えないで」というか。何をするか考える時にも、「じゃぁ、これ!」みたいな感じで生きているので。
なるほど、と納得しました。
何も考えていないわけです。
安倍昭恵氏は自分の直感に自信を持っているようですが、直感の根拠は何かというと、「スピリチュアルなものへの共感」であり、「オカルト的」なものだという点がトホホです。
安倍:そうですね。
安倍:麻は、日本にとって伝統的でとても大事な、それこそ、神様と繋がっているもの。
谷崎:しめ縄でもそうですし、神道の儀式に必ず必要なもの。
安倍:なぜあれをずっと使っているかって、それなりに「波動の高い植物」だからだと、私は思うんです。
その神社の神事で使われている麻のほとんどが「中国産」になってしまっていて、ビニールでできたものあるんですね。それは大きな問題で、日本の根幹の神道の中で使われる麻は「国産」であるべきなんです。
どういう意味で「波動の高い植物」と言ってるのかということがありますが、物理学の用語としてではなく、スピリチュアルでの「波動」ということでしょう。
そして、「日本の根幹の神道」という発言から、安倍昭恵氏が神道原理主義者であることをうかがわせます。
森岡正博『生命観を問いなおす』によると、スピリチュアルとナショナリズムとエコロジーは重なり合っています。
安倍昭恵氏の中ではそれらは矛盾なく共存しているんだと思います。
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