三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

「日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる」(2)

2017年04月11日 | 問題のある考え

 安倍昭恵氏と西田亮介氏との対談「日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる」に、こんなやりとりがあります。

安倍:新しいイノベーションが生まれているし、可能性として、日本はとてもポテンシャルが高いと私は思っています。その日本の精神性が世界をリードしていかないと「地球が終わる」って、本当に信じているんです。
西田:地球が終わるんですか?
安倍:本当に色んなところに、私も主人と行かせてもらっていますが、経済や環境問題にしても、テロや戦争だったりしても、どこの国も安定してないじゃないですか。先進国で比較的安定しているのは、日本しかないと思っているんです。
日本人って、元々が善悪で言うと、すごく「善」だと、私は思っているんですね。
新幹線のお掃除みたいなものであっても、あれは日本人にとっては「まぁ、すごいね」というぐらいだけど、もう観光名所になるくらい、世界からするとすごいことで。
何故外国人がすごいと思うかっていうと、あの素早いお掃除がすごいのではなくて、瞬間的にキレイにできるぐらいしか汚さない日本人のマナーの良さに驚くっていうところもあるっていう。日本って、私はやっぱりすごい国だと、本当に思っていて。
西田:まぁ、そうですね。ただ、大抵どの国にも「すごいところ」と「すごくよくないところ」があるような気もします。
安倍:千何百年ごとに世界の文化の中心が廻ってくる。そういうことを考えても、これからは日本の時代なんですね。
西田:う~ん。


森岡正博『生命観を問いなおす』に「エコ・ナショナリズムとは、自国や自民族の文化や伝統や価値観などを世界に広めてゆくことで、環境問題が解決するというふうに考える思想のことです」とありますが、安倍昭恵氏の環境問題への関心はそういうところにあるようです。

「日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる」という日本中心主義、日本至上主義の考えは、平田篤胤と似ていると思います。
平田篤胤は『霊能真柱』で、地の中心に日本は位置しており、しかも「皇国の在処は、図の如く大地の頂上也」だから、天に一番近い高い所にあると主張しています。
「万の外国どもは、皇国と比べては、こよなく劣りて卑かるべき」
なぜかというと、日本はイザナギとイザナミが産んだ国だが、その際にはね飛んだ潮が固まってできたのが外国だからです。
八紘一宇、五族協和というのは、いろんな国や民族が平等ということではなく、あくまで日本をリーダーとして、他の国・民族は日本に従うという、日本中心主義です。

辛抱しきれなくなったのか、聞き役のはずの西田亮介氏がニートについて意見を述べます。

西田:ぼくは、政治の研究の他に、若年無業者の研究やっています。いわゆる「ニート」の問題ですね。
若年世代にも今、年間60万人くらい若年無業者がいるんですけど、なかなか大変ですよ。日本の失業率は極めて低くて、失業率は下がっているにも関わらず、若年無業者の数は横ばいなんです。
つまり、子供の人口が減っていることを考え合わせると、比率としては増していることになります。第一次安倍内閣の時に、若者再挑戦のための施策というのは本格的に整備され始めたのですが、やはりその後なかなか、手薄な状態が続いています。
安倍:でも、なんかこう夢を持てない世の中よりは、夢があったほうがいいじゃないですか。
西田:う~ん。「夢」の問題でしょうか。経済や政策の問題じゃないでしょうか。
安倍:私はもう、東京じゃなくて、地方がかっこいいって時代にしたいと思っています。色んなニートの人達とも話しをしたりすることもありますが、なぜニートになるかも考えなくてはいけないと思います。
西田:主にケガと病気ですね。よく「怠けた結果の自己責任だ」などと非難されがちですが、内閣府の統計などを見ると、主たる原因はケガと病気なんですよ。
だから、就労経験を持っている人が大半なんですよね。ブラック企業などに入って働けなくなって…みたいなケースもありますし。
安倍:でもそれで、ケガや病気が治ったりすれば、また気持ちが盛り上がってきて、働けばいいわけじゃないですか。
西田:まさにそれを許さない、復職したい人の気持を受け入れていない/受け入れられていないのが今の社会の在り方ということですね。

2人の話がかみ合っていないのは、安倍昭恵氏が今の日本の現実を見ておらず、夢(すべては心の持ちようというニューエイジ的妄想)の世界にはまっているからだと思います。

では、ご主人の安倍晋三氏はどうなのでしょうか。

安倍:主人自身も特別な宗教があるわけじゃないんですけど、毎晩声を上げて、祈る言葉を唱えているような人なんですね。
西田:何をお祈りされているんですか?
安倍:感謝の言葉を。
西田:それは誰に対してですか?
安倍:神様なのか、先祖なのか、分からないですけど。何か自分の力ではないものに支えてもらっていることに対しての感謝を。
西田:どこに向かって?虚空に向かってなんですかね?
安倍:分からないです。多分、自分に言い聞かせているのかもしれないけど、よく分からないです。

ネットで調べると、安倍晋三氏は「神立の水」を愛飲しているそうです。
「神立の水」は慧光塾という経営者向けのコンサルタント会社と関係があり、慧光塾の内実は宗教だとのことです。

安倍晋三氏と安倍昭恵氏は、スピリチュアル・カルトとナショナリズム・神道原理主義が基盤にあるという点では似たもの夫婦だと思います。

テロ特措法どころではない安倍首相 霊視で組閣 「四人の神」 慧光塾

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする