『ジャニス リトル・ガール・ブルー』を見ました。
知人との会話です。
「ジャニス・ジョプリンは高校の時にいじめられてて、大学でもいじめられてた。高校を卒業した10年後に高校の同窓会に出席したが、誰も声をかけなかった。それからまもなくドラッグで死んだ」
「孤独だったんだ」
「ジャニス・ジョプリンは、ライブとセックスは似ている、終わるとひとりぼっちになる、と言ってる」
「ジャニス・ジョプリンは、神様、助けて、と必死に歌っている感じがする」
「『エイミー』を見ると、エイミー・ワインハウスは夫と父親がクズ。有名になると、金目当てのろくでなしが近づいてきて、人が信用できなくなって、ますます孤独になるんだろう」
「『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK』でジョージ・ハリスンが、僕たちは4人だからよかった、エルビス・プレスリーは1人だから大変だと言ってた」
「「ハード・デイズ・ナイト」や「ヘルプ」はそのころのビートルズの気持ちそのまんまじゃないか」
「ビートルズはマネージャーや編曲者がよかったということもあると思う」
「ビートルズはライブをやめた。ライブはハイテンションを保たないといけないからしんどいと思う」
「30年も40年もトップでいつづけるということはほんと大変なことだと思う」
「ブルース・スプリングティーンのような人でも、ウツ病になったと自伝で書いている」
「ジャニス・ジョプリンはクスリと酒で27歳で死んだ。エイミー・ワインハウスも27歳」
「ジミ・ヘンドリックス、ジム・モリソン、カート・コバーンも20代で死んでいる。長生きできない」
「それにしても、ミック・ジャガーやキース・リチャーズはどうして死ななかったんだろう。キース・リチャーズなんてほんとひどかったのに」
というわけでもないのですが、大森庸雄『生きてるぜ! ロックスターの健康長寿力』を読みました。
かつてミック・ジャガー(73歳)は、「45歳になって、まだ『サティスファクション』を歌っているくらいなら、死んだほうがいいだろう」と語っていた。
1965年、ザ・フーのピート・タウンゼント(71歳)は「オレたちはいつも老いぼれたバンドにはなりたくないとマジに考えているんだ。オレは、30歳になったら自殺するね」と言っている。
ところが、現在は60代、70代を迎えても現役で活躍しているミュージシャンが多くなってきており、彼らはどうして健康を保っていられるのか、『生きてるぜ!』はその秘密に迫る本だそうです。
音楽ビジネスのもっとも大きな変化が、CDの売り上げが下降する一方で、ツアーからの売り上げが大きくなっていること。
大規模なワールドツアーとなれば、チケットの売り上げに加えて、Tシャツをはじめとするツアーグッズの売り上げも大きな収益をあげる。
そうなると、ステージに立つアーティストの見せるパフォーマンス力、数時間に及ぶライブに耐える強靱な体力が必要となる。
トレーニングとヘルシーな食事を心がけることが必要になる。
ロックスターというと、セックスとドラッグとアルコール、不健康な生活を送っているというイメージがつきものだが、それは遠い過去のこと。
いまや音楽界ではアーティストたちも健康面に気配りをするようになった。
長く活動しているスターたちは体を鍛え、食生活にも気を使っている。
ジョン・ボン・ジョヴィはツアーにトレーナー、カイロプラクター、栄養士を同行させ、マクロビオティック・ダイエットを実践しているスティングのツアーにはパーソナル・シェフが同行している。
ミック・ジャガーは1943年生まれで、体脂肪率8%。
ライブではステージを平均19km走る。
父親は体育講師、アスリートとして育てられた。
経済学士号の取得をめざし、ロンドン大学政治経済学院へ進む。
1969年、財政面の立て直しを図るべく、プリンス・ルパート・ローウェンスタインに経理を見てもらうことになる。
こんなに早くから経営を考えていたわけです。
1987年以降、ローリング・ストーンズはグローバル企業へと発展していく。
1977年に、「ストレッチ体操にランニング。体を鍛えないと、ステージで2時間半もあんなことは続けられないよ」と言っている。
ツアーに出る前には数か月準備をする。
体力づくりをし、甘いものを控え、最高の体調をつくりあげる。
食事は、全粒粉のパン、ポテト、玄米、パスタ、豆、鶏肉、魚、オーガニック栽培の野菜・果物を摂っている。
普段は夜は11時に寝て、朝は6時に起きる。
毎日サプリメントを摂取し、スキンケアにも気を遣う。
ポール・マッカートニーは菜食主義。
もっとも、妻のリンダもベジタリアンでしたが、ガンによって56歳で亡くなっています。
1980年代には、1日にコニャック4本をあけたというオジー・オズボーンがタバコ、酒、ドラッグをやめるのに重要だったのは、依存症者とはつきあわないようにしたこと。
アリス・クーパーはゴルフでアルコール依存から抜け出した。
アンソニー・キーディスも薬物依存からゴルフ依存症に変わった。
エリック・クラプトンはアルコール依存症から釣り依存へと変わった。
ロン・ウッドは切手の蒐集でアルコール依存症を克服。
こんなことでアルコール、ドラッグ、セックスの依存症から脱却できるものなのでしょうか。
それにしても、キース・リチャーズはドラッグはやめてもタバコは吸っているし、菜食主義やエクササイズに興味はなく、特筆できる健康法に取り組んでいるわけでもない。
なのに体脂肪率は14%。
不思議。