長期運用を真剣に考えている方へ

素人、プロ、万人向け投資情報、金融商品説明など金融に関する教育サイト。明るい老後をめざし、負けない投資家になろう!

株式

2008-03-22 | 初心者のための株式講座
新聞紙上で株式のものさしとよく使われているものがPER、配当利回り、PBR、ROEなどです。

じゃどんな株がいいのか、株式投資とは結局は同業他社とそれぞれのレシオと成長率などを考慮して割高、割安を評価するのです。過去のデータなら簡単に分析できますが、今後の企業成長、企業の方向性などが株価には反映します。そこでコーポレートファイナンスの世界で企業の現在価値をいろいろなモデルで計算して株価を評価し、マーケットプライスと比較することもあります。

ちょっとおさらいします。
PERは基本的には予想PERを使います。予想というのは次回の利益はこんなもんだという数字を各企業は決算短信(ホームページで確認できます)を利益と仮定して計算します。

PBRは前期の貸借対照表ベースです。1倍をわれば割安だとされます。(前提にはM&A 株式時価総額が企業価値を下回っている状態)

配当利回りも基本は過去データです。収益によって前後するので注意が必要です。特に外国株は注意したほうがいいです、私は香港の株式を保有していますが、今回の配当金が、業績悪化で0.12HKから0.05HKと半分になりました。ちょっとショック。

次にROE(自己資本利益率)ですが、3つのレシオから計算されていると書きました。(もっと細かくすれば5つに分かれます)。
ROE=当期純利益÷自己資本=①(当期人利益÷売上高)×②(売上高÷使用総資本)×③(使用総資本÷自己資本) 

ROEが高いということは利益率があつくて、売上高回転率が高くて、財務レバレッジが高い企業のROEが高いということになります。すべてが高い企業なんてそうありません。
①②③の指数についてみていきましょう。

① 売上高利益率――この講座の初期にソニーと任天堂比のとおり高いほうが企業の自由度がたかく、この指数は投資対象としては絶対個人的にはずせない指数です。ウォーレンバフェット氏、もこの指数は絶対としています。

② 売上資本回転率――売上が総資本の何回しているかという指数。(資産の効率)ソニーも任天堂の0.75倍前後です、この指数の特徴としてスーパーなど薄利企業が利益の薄さを大量に販売することで利益の低さをカバーできているかという指数です。利益率が厚い会社でこの指数が高い企業があればグッドですがあまりきたことありません。たとえばポルシェのROEは56%ですが回転率は0.4倍です。

③ 財務レバレッジ---使用総資本÷自己資本 これは企業を安全面からみる指数です。株主のリスクは企業が倒産してしまうことです。倒産すると株価はゼロになってしまいます。

企業が業を営むのに他人のお金をどれだけ借りているかという指数です。この数字が高いと金利感応度が大きいということです、たとえば企業が傾きそうになりと銀行はお金を貸すのをとめてしまうか、金利の上乗せを要求してきます。また金融市場の動きに企業金融が左右されこればかりは企業はコントロールできません。そういう意味でこの数字があまりにも大きいと株価は上昇しません。かといって総資本全部が自己資本ということもありません。

企業の活動として、企業の利益率が6%だとします。この企業が資本市場から資金を3%で借り入れることができたら、3%でお金を借りてきて設備投資して6%の利益が得られたら3%(今回は税金を無視)もうかります。どんどんお金借りたり、債券発行すれば他人のふんどしで3%儲かりますが、ただ風向きが変わって売上が落ちたり、金融市場が混乱して調達金利が上昇したりしたら、逆回転がはじまります、そこでこのレバレッジについては適正数値は算出不可能です。ただ市場では2倍とか3倍以内に収まっている企業が多いようです。(電力などを除く)

ちなみに任天堂は1.3倍、ソニーは3.4倍です。
ソニーのROEは3.84%です。①0.015×②0.74×③3.4=3.84%です。利益率の低さを③のレバレッジでカバーしています。

任天堂のROEは16.8%です。①0.18×②0.71×③1.32=16.8%です。ソニーと回転率は同じです、レバレッジは低いですが利益率の高さがROEを押し上げています。
ROEが高い企業はいい企業ですが①から③のどの指数がROEを押し上げているかが大切です。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする