OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

日本の認知症施策について

2018-11-18 21:57:03 | 労働基準法

厚生労働省が示している認知症施策についてまとめる機会があり、そこに示されている施策の数々に少なからず驚きました。そもそも認知症対策としては平成24年に「オレンジプラン」が策定されていたところ、平成25年12月に英国で「G8認知症サミット」が開催され、世界的に認知症に対する対策についての展開に向けて協働することとされました。

その後日本は平成27年1月に「新オレンジプラン」が策定され、7つの柱がかかげられています。7つ目の柱である「認知症の人や家族の視点の重視」を重要な柱として位置づけたことが特徴となっています。これまでの認知症の人を支える側の視点からの取組みからの変化ということになります。

その施策の中で興味を持ったのが「認知症カフェ」です。どのようなものなのか全く知識がなかったため、書籍(浅岡雅子「魅力あふれる認知症カフェの始め方・続け方」〈2015.10.16・翔泳社〉)を購入してみました。「認知症の人や家族が気軽に立ち寄れる場」として注目されている認知症カフェを、解説・運営・支援のすべてを紹介するという本ですが、そこから少し紹介してみようと思います。

認知症カフェには色々なお客さんがやってくるとして、「軽度認知障害(MCI)の人、認知症初期の人、認知症初期の人に同伴する家族、認知症の人を伴わず単独で参加する家族、地域の認知症サポーター、認知症の人の友人・知人、認知症になるのではと心配している人、認知症のことを理解しようと思っている地域の人、セミナーなど行う認知症外来の医師等外部講師、認知症相談に対応するケアマネージャー等専門職」があげられており、認知症カフェは、認知症の人やその家族が「気軽に立ち寄りたいと思うようなリラックスできる場所」であることが基本ということです。

認知症カフェの3要素として「楽しむ(カフェとしてお茶とお菓子おしゃべりを楽しむ・コンサートの催しなど)」、「相談する(医師・ケアマネに相談、家族通しアドバイス)」、「学ぶ(セミナー・勉強会)」があり、地域包括支援センター・NPO法人・家族会・介護機関・医療機関などが主催しているということでそれぞれ事例が載っています。

認知症カフェは毎日開店しなければいけないというものではないそうです。

カフェ好きの私としては興味をひかれたのですが、今後高齢者が多くなれば認知症カフェのような場が身近にできるのかもしれません。それにしても、高齢の親を見送り見守る私の経験からして考えるに、新オレンジプランの内容が病院から紹介されたこともないですし、重要な役割を果たしているという「認知症サポーター」にお目にかかったこともなく、友人との話にも出てきたこともないのはどういうことなのかと不思議に感じます。

週末は久しぶりに広島に出張してきました。東京に戻りその足で授業に行くなど強行軍でしたが、訪問先企業の地方都市ならではの大きな空の下壮大な敷地内の新しいビルも訪問できましたし、一緒に行ったスタッフと社労士事務所の今後の戦略など時間を気にせず話ができたり、地元の美味しいものを食べたりなかなか充実した出張となりました。