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真実を知りたい-NO2                  林 俊嶺

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韓国三つの謀略事件、金大中拉致・陸英修殺害・KAL機爆破

2025年04月03日 | 国際・政治

 42日、朝日新聞はデジタル版で、”CIA東京支局の存在、日米が公表に反対 ケネディ暗殺文書で判明”と題する記事を掲載しました。”2025318日、トランプ米大統領の命令を受け、1963年のケネディ大統領暗殺事件に関する文書が公開された。そのなかには、日本でのCIAの活動についての記載もあった”ということです。そして、”ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件をめぐり、これまで非公開とされてきた8万ページ近い文書が、トランプ米大統領の命令で機密解除された。世界各地で諜報(ちょうほう)活動をしてきた米中央情報局(CIA)に関連し、日本での活動を明らかにする文書も開示された。”というのです。

 でも、すべての文書が開示されたわけではなく、また、文書化されていない事実もあることを踏まえると、どこまでCIAの活動が判明するかは不明ですが、不都合な事実は何でもかんでも「陰謀論」でかわしてきたことが、少しは明らかになるのではないかと思います。

 ”日米が公表に反対”ということなので、私は、CIAの下記のような活動目標が、現実に実施されている事実の詳細が、少しでも明らかにされることを期待するのです。

アメリカ合衆国に友好的な政権樹立の援助

アメリカ合衆国に敵対する政権打倒の援助[8]

アメリカ合衆国に敵対する指導者の暗殺

 

 下記は「南北統一の夜明け 朝米関係の軌跡をたどる」鄭敬謨(技術と人間)からの抜萃ですが、著者の 鄭敬謨(チョンギョンモ)は、KCIAによる金大中拉致事件、在日韓国人・文世光(ムンセグァン)による朴正煕(大統領)の妻、陸英修(ユクヨンス)の殺害事件、また、金賢姫(蜂谷真由美)によるとされる大韓航空機爆破事件が、金大中がらみで起きた事件であると書いています。

 それら三つの事件に、いろいろなかたちで日本が関係していることから、私は、東アジアで反共政策を進めるアメリカのCIAが、両国の間に立って協力したのではないかと疑わざるをえません。韓国の政権をめぐって、保守と革新がはげしく競り合う状況の中で、CIAのソウル支局が、こうした事件をただ傍観していたとすれば、アメリカの関係者は、”ソウル支局は何をしている”ということになるのではないかと想像するのです。

 話がちょっとそれるのですが、下記のような事実も、気になっています。

 先日、「巻き戻される国際秩序」と題する朝日新聞の「オピニオン&フォーラム」の欄に、小泉悠・東京大学準教授の主張も掲載されていました。小泉悠 という人物の紹介のなかに、「専門はロシアの軍事・安全保障」とありました。でも、私は違和感を感じました。

 しばらく前、彼はたびたびウクライナ戦争の解説でメディアに顔を見せていましたが、ロシアの安全保障やプーチン大統領の情勢認識を語ることはほとんどなく、アメリカから得たと思われるロシアの戦争目的や戦況、両国が利用している武器の解説などをしていたように思います。だから、ロシアの軍事・安全保障の専門家ではなく、アメリカの「対ロ戦略」の専門家であり、CIAとも何んらかのつながりがあるのではないかと疑わざるを得ないのです。

 なぜなら、その記事のなかで、彼は、”…もしロシアという乱暴者の乱暴を追認して、その場限りでおとなしくさせるだけで終わるなら、待っているのはさらなる侵略戦争かもしれないのです”などと主張しています”また、「ミュンヘン会談」と関連して、”あの会談で英国のチェンバレン首相は、旧チェコスロヴァキアの領土の一部割譲を求めるナチスドイツの要求を、それで戦争が避けられるならばと認めてしまいました。翌年、ヒトラーはチェコスロヴァキアを勢力下に置いています”ということで、”同じように、もしプーチン政権が一度おこなった侵略を見逃したらミュンヘン会談の二の舞いになってしまうのではないかという思いは、私にもあります”とも主張しています。こうした主張は、アメリカをはじめ、NATO諸国の政治家が、しばしば口にする根拠のない「反ロキャンペーン」と変わらないと思います。どうしたら、戦争を終わらせることができるか、というようなことは一言も語っていないのです。だから彼は、”アメリカに敵対するプーチン政権の打倒”というCIAの活動目標を語っているように思うのです。第二次世界大戦後のアメリカの戦争政策や、現在のロシア敵視、中国敵視の政策が、そう思わせるのです。

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                 1章 金大中政権の浮上と新しい南北関係

 

 「真由美事件」に対する日本のかかわり

  もう一つ忘れてならないのは「工作員」真由美が、洋上のKAL機を爆破したという、 あの奇怪な事件も、金大中がらみで日本を巻き込んだ上、 韓国が引き起こした国家謀略であったという事実です。

韓国で熱心に民主化運動のため駆けずり回っている人に会うと、よく私は尋ねるのです 真由美こと、金賢姫が、顔にグロテスクなマスクをかけられ、2人の警察官に両脇を抱えられて金浦空港のタラップを降りてきたのは、何年何月何日あったのか、覚えているかと、残念ながら、この問いにきちんと答えられた運動家には、今まで 一人も出くわしたことはなかったのです。

 よく人は、行うことが難しいのであって、知ることは易しいと言います。違うのです。行うことより難しいことは、知るということなのです。また孫文先生のことを引き合いに出して恐縮ですが、先生は長い運動の中で、真実を知ってもらうことの難しさを痛感し、「知易行難」ではなしに、むしろその逆だということをということを説かれたのです。それ故でしょうか、先生の揮毫の中には、「知難行易」というのが数多く残されている、という話を聞かされたことがあるのです。

 冒頭のどこかで、私は真由美による犯行だとされるKAL爆破事件が発生したのは、19871129日にあったと述べたのですが、事件が発生したこの日の日付までは記憶してなくてもいい。しかし、「真由美」が、おかしな格好で金浦空港に降り立った日が、19871215日あったのは、きちんと覚えておいて欲しいと思うのです。何故か? 翌日の16日が、大統領選の日であったからです。選挙に勝ったのは盧泰愚であり、「蝸牛角上(カギュウカクジョウ)の争い」を演じた金大中、金泳三の両氏は、ともに苦杯をなめざるを得なかったのですが、両金に共食いの泥試合を演じさせる一方、北の「犯罪行為」に対する恐怖を劇的に煽り立ててから、その翌日に選挙行うという、この絶妙のタイミングが、果たして偶然のものであったでしょうか。「真由美」事件で金大中氏が失った票は100万票を下らなかったというのが、当時ソウルの友人から聞いた噂であったのです。

 この事件に、あるいは日本もかかわってたのはあるまいか、私が疑っている理由を説明するために、少しだけ遡ってこの事件のうさん臭いところを点検したいと思いますので、真由美と蜂谷真一「親子」がウィーンで購入したという「ウィーン─ベオグラード─バクダット─アブダビ─ バーレー」というひと綴りのエアチケットで、バグダッドからアブダビに降りてからの行動を探ることにしましょう。

 バグダッドを発ちアブダビに着いたKAL機から二人が降りたのは、事件当日(1129日)の午前3時であったのです。「蜂谷親子」と、名前が発表されていない韓国の政府高官13人、計15人を降ろしたKLA機は、340分、アブダビ空港を離陸するのですが、このKAL機(大韓航空858便)こそが、中東に出稼ぎに行っていた韓国人労働者を含め、115人の乗員・乗客もろとも、ベンガル湾の上空から、忽然と姿を消した件の飛行機であったのです。

 それでは、アブダビ空港で降りた「蜂谷親子」は、そこで何をしていたのでしょうか。午前9時発バーレーン行きの飛行機に乗り換えるまでの6時間を、空港のトランジット・ラウンジで過ごしていたというのです。この事実の中に、事件の秘密が隠されているのです。

 この二人は、アブダビからローマ行きの別のチケット(アリタリア航空)を持っていて、もし欲すれば、この時間帯内にアブダビを出発する飛行機で(たとえばロイヤル・ヨルダン航空603便等)ヨーロッパのどこの地点にでも脱出することはできたはずだというのです(野田峯雄著『破壊工作』JICC出版局、1990年刊)。しかし彼らは、そうはしなかった。わざわざ袋小路のような島国バーレーンに入り、「私たち、ここにいますから、上手に捕まえて下さい」と言わんばかりに、5つ星の超高級ホテル(リージェンシー・インターコンチネンタル)に、二泊もしながら 、悠々と買い物や観光を楽しんだというのですから、これは明らかに与えられたシナリオ通りの行動であり、KAL機爆破事件の真の犯人が「蜂谷親子」でないのは、明々白白であると言うべきではないですか。あの飛行機にあらかじめ爆薬が仕掛けられていたなんて、真由美なんか知る由もなかったただろうと私は確信しているのです。

 二人が所持していた偽造旅券が日本のものであり、二人とも日本人を装っていたというのも、 いかにも不自然な話だと思うのです。背後で動いていた真のテロリストの目論みからすれば、「蜂谷親子」は捕まらなくてはならないし、捕まった時のニセの旅券は、日本のものでなけれ

ならなかったのです。

 バグダッドを出発した「蜂谷親子」の二人が、バーレーンのホテルに泊まっているのを一番最初につきとめえ、偽造の日本旅券でバーレーンからアンマンに向けて出国しようとした(もしくは出国するようなふりをしていた)二人を、空港警備官に依頼して身柄を拘束し、尋問を始めたのは──前提所の著者、野田氏の調査によると──日本大使館の職員(砂川三等理事官)であったのです。この大使館職員はア、東京の本省から「蜂谷真由美のパスポートは偽造されたもの」という通報を受けて行動を開始したままであり、あの二人がKAL機爆破の犯人であったのは、 全く知らなかったと言うんですね。だとすれば、「真由美」ないし「蜂谷老人」の犯罪は、旅券の偽造ですから、犯人の身柄は、日本政府がバーレーン政府に要求し、東京に連行するのが当然だったでしょう。しかし当然といえば当然ですが、日本政府はそのような要求はしませんでした。「蜂谷親子」のありかをつきとめた日本大使館のタイミングのよさもさることながら、日本政府が、バーレーンで捕捉された金賢姫(真由美)の身柄を、黙って韓国側に渡したのは、初めから この事件のシナリオを知っていて、日本が87年選挙における金大中氏の当選を阻止する意図からでた行為であったと、私は疑わざるを得ないのです。  たとえば日本の国営放送局と言うべきNHKの態度ですが、光州における市民大虐殺のあと、全斗煥政権が浮上するや、NHKは、セマウル運動の本部長を務めていた全敬煥( 全斗煥の実弟)の活動について「密着取材」を行い、 1時間半の特別番組を組んで放映したのです。これは、中曽根氏がノーネクタイで、のど自慢を交わしたという、全斗煥に対する、日本政府のエールであったとみてよいでしょう。もう少し具体的に言うと、全斗煥 に捕らえられて獄中にいた金大中氏の処刑を急いでくれという信号であったのかも知れないのです。

 韓国の大統領選挙を目前で控えた1212日(98年)、NHKは「金賢姫と遺族の十年・大韓航空機爆破事件」と銘打った特別番組を放映しました。これはキリスト教に改宗したという金賢姫が教会の講壇に立って、爆破事件で命を失った115人の人々とその遺族に対してお詫びの言葉を述べ、「醜悪かつ残忍きわまりない北朝鮮の犯行を糾弾する」という趣旨のものであったのですが、これが、金大中政権の浮上を阻止しようという、日本政府の意図を反映したものでなかったとは言えないでしょう。

  しかしながら、日本政府が自分に対してとってきたこれまでの敵視政策のために、金大中氏が、否定的な態度で、日本に対し狭量な政策をとるだろうかと言えば、そうではないでしょう。先ほどのべたように、金大中は、昔の政敵に対してさえ、その霊前に額づき、生前の功績を讃えることをためらわない政治家であって、彼のこのようなプラグマティズムは、日本に対しても適用されるでしょう。

 日本政府もその年(97年)の末、通貨危機に直面した韓国に、いち早く100億ドルの援助を申し出る一方、小渕外相(当時)や中曽根元首相が踵(きびす)接してソウルを訪れ、 金大中氏と会いました。それは、言葉ではそこまで表現しなくても、日本政府としての新大統領に対する陳謝の意を含めてのジェスチャーであったと、少なくとも私は、そのように判断したいと思うのです。

 

 


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