「図解 そうだったのか!日本人なら知っておきたい基礎知識ー島国ニッポンの領土問題ー激怒する隣国、無関心な日本(日本を揺るがす最新ニュースの真相がすぐわかる!)」中沢孝之/日暮高則/下條正男(東洋経済新報社)は、その表紙が内容をよく表していると思う。尖閣諸島のみならず、竹島や北方領土などの領有をめぐる関係国との対立点について理解を深めようとするのではなく、日本の国益を守るために、どのように考えどのように対応すべきかを解説したものであるといえる。したがって、当然外務省見解が前提である。「尖閣諸島問題その7」で列挙した6つの疑問に関わる内容はないので、疑問は何ら解決されない。
「尖閣諸島は日本の領土~外務省見解」と題した文章の中に<補足して日本側の見解を説明するとこうである。明治政府が、占有者のいない土地、国際法上のいわゆる「無主地」と認識して領有を宣言したのであり、その領有の方法は「無主地先占」で国際法上一点の問題もなく、その領有宣言に対して、その後、清国側が明確なクレームを付けていないではないか、としている。>とある。しかし、周辺国の歴史や文献、領有意識などを確かめることなく、「無主地」と断定していいのかどうかということ以上に「…領有を宣言したのであり…」が問題なのである。領有の宣言はしていないのではないか。「領有宣言」といえる文書を見たことも聞いたこもないがなぜなのか。
外務省見解と同じような根拠で、共産党や社民党まで「尖閣諸島は日本の領土である」としているが、領有を宣言した文書はどこも示していないし、誰も示そうとしない。ほんとうはないものと思われる。そのような宣言文書のない領有が「国際法上一点の問題もなく…」といえるのかどうか。したがって、領有宣言(公示や通告や官報掲載など)のない閣議決定に、清国はクレームの付けようがなかったのではないか。そして、その3ヶ月後に、下関条約よる台湾割譲があったが、「尖閣諸島問題その7」で取り上げた伊藤博文の戦略意見は、台湾割譲を視野に入れていた当時の日本の軍事占領の一環であることを示しているのではないか。10年間、再三現地調査を繰り返していたのではなく、実は清国が抗議できなくなるのを待っていたのではないか。そして、日清戦争勝利が確定的になったために、領有宣言は必要なくなったということではないのか。
いつもは政府に批判的な共産党や社民党も、下記のように外務省見解とほぼ同じような見解を表明している(インターネットで検索し一部抜粋した)。それに異をとなえるメディアも国内にはないようである。国益にかかわるゆえに、「大本営発表」同様、疑うことが許されないかのようである。中国の主張にもいくつかの疑問はあるが、日清戦争最中の日本の尖閣諸島領有が、ほんとうに平和的で合法的な領有であったとはとても思えない。
帝国主義的領土拡張を始めていた当時の「沖縄県と清国福州トノ間ニ散在セル無人島」に関する内務卿山県有朋と外務卿井上馨のやり取り、内務大臣野村靖と外務大臣陸奥宗光の交換文書、首相伊藤博文の大本営会議提出の戦略意見などを総合的に理解して、なお尖閣諸島が平和的・合法的に領有されたというのであれば、もはや……。
共産党-------------------------------
日本の領有は正当
尖閣諸島 問題解決の方向を考える
沖縄の尖閣(せんかく)諸島周辺で今月、中国の漁船が海上保安庁の巡視船に衝突し、漁船の船長が逮捕されたことに対し、尖閣諸島の領有権を主張する中国側の抗議が続いています。日本共産党は、同諸島が日本に帰属するとの見解を1972年に発表しています。それをふまえ、問題解決の方向を考えます。
歴史・国際法から明確
尖閣諸島(中国語名は釣魚島)は、古くからその存在について日本にも中国にも知られていましたが、いずれの国の住民も定住したことのない無人島でした。1895年1月に日本領に編入され、今日にいたっています。
1884年に日本人の古賀辰四郎が、尖閣諸島をはじめて探検し、翌85年に日本政府に対して同島の貸与願いを申請していました。日本政府は、沖縄県などを通じてたびたび現地調査をおこなったうえで1895年1月14日の閣議決定によって日本領に編入しました。歴史的には、この措置が尖閣諸島にたいする最初の領有行為であり、それ以来、日本の実効支配がつづいています。
所有者のいない無主(むしゅ)の地にたいしては国際法上、最初に占有した「先占(せんせん)」にもとづく取得および実効支配が認められています。日本の領有にたいし、1970年代にいたる75年間、外国から異議がとなえられたことは一度もありません。日本の領有は、「主権の継続的で平和的な発現」という「先占」の要件に十分に合致しており、国際法上も正当なものです。
社民党------------------------------
尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件について(談話)
社会民主党党首
福島みずほ
去る9月7日に、中国のトロール漁船が、沖縄県の尖閣諸島にある久場島付近の領海内で違法操業をしており、海上保安庁の巡視船の停船命令を逃れようとして衝突した。この事件で、海上保安庁は公務執行妨害容疑で漁船を拿捕するとともに船員を逮捕した。
一般船員は13日に釈放したものの、船長を引き続き勾留し19日にはさらに勾留期限を延長し取り調べを継続した。
発生から17日経った9月24日になって、那覇地方検察庁は、中国人船長を処分保留で釈放することを決めた。
尖閣諸島は、歴史的にみて明らかに日本の領土であり、沖縄県石垣市に属する島である。領海内で他国の漁船が操業することは、特段の取り決めがない限り断じて認められないことであり、海上保安庁が取り締まることは当然である。
http://www15.ocn.ne.jp/~hide20/"に投稿記事一覧表および一覧表とリンクさせた記事全文があります。一部漢数字をアラビア数字に変えたり、読点を省略または追加したりしています。また、ところどころに空行を挿入しています。旧字体は新字体に変えています。青字が書名や抜粋部分です。赤字は特に記憶したい部分です。「・・・」は段落全体の省略を「……」は、文の一部省略を示します。
「尖閣諸島は日本の領土~外務省見解」と題した文章の中に<補足して日本側の見解を説明するとこうである。明治政府が、占有者のいない土地、国際法上のいわゆる「無主地」と認識して領有を宣言したのであり、その領有の方法は「無主地先占」で国際法上一点の問題もなく、その領有宣言に対して、その後、清国側が明確なクレームを付けていないではないか、としている。>とある。しかし、周辺国の歴史や文献、領有意識などを確かめることなく、「無主地」と断定していいのかどうかということ以上に「…領有を宣言したのであり…」が問題なのである。領有の宣言はしていないのではないか。「領有宣言」といえる文書を見たことも聞いたこもないがなぜなのか。
外務省見解と同じような根拠で、共産党や社民党まで「尖閣諸島は日本の領土である」としているが、領有を宣言した文書はどこも示していないし、誰も示そうとしない。ほんとうはないものと思われる。そのような宣言文書のない領有が「国際法上一点の問題もなく…」といえるのかどうか。したがって、領有宣言(公示や通告や官報掲載など)のない閣議決定に、清国はクレームの付けようがなかったのではないか。そして、その3ヶ月後に、下関条約よる台湾割譲があったが、「尖閣諸島問題その7」で取り上げた伊藤博文の戦略意見は、台湾割譲を視野に入れていた当時の日本の軍事占領の一環であることを示しているのではないか。10年間、再三現地調査を繰り返していたのではなく、実は清国が抗議できなくなるのを待っていたのではないか。そして、日清戦争勝利が確定的になったために、領有宣言は必要なくなったということではないのか。
いつもは政府に批判的な共産党や社民党も、下記のように外務省見解とほぼ同じような見解を表明している(インターネットで検索し一部抜粋した)。それに異をとなえるメディアも国内にはないようである。国益にかかわるゆえに、「大本営発表」同様、疑うことが許されないかのようである。中国の主張にもいくつかの疑問はあるが、日清戦争最中の日本の尖閣諸島領有が、ほんとうに平和的で合法的な領有であったとはとても思えない。
帝国主義的領土拡張を始めていた当時の「沖縄県と清国福州トノ間ニ散在セル無人島」に関する内務卿山県有朋と外務卿井上馨のやり取り、内務大臣野村靖と外務大臣陸奥宗光の交換文書、首相伊藤博文の大本営会議提出の戦略意見などを総合的に理解して、なお尖閣諸島が平和的・合法的に領有されたというのであれば、もはや……。
共産党-------------------------------
日本の領有は正当
尖閣諸島 問題解決の方向を考える
沖縄の尖閣(せんかく)諸島周辺で今月、中国の漁船が海上保安庁の巡視船に衝突し、漁船の船長が逮捕されたことに対し、尖閣諸島の領有権を主張する中国側の抗議が続いています。日本共産党は、同諸島が日本に帰属するとの見解を1972年に発表しています。それをふまえ、問題解決の方向を考えます。
歴史・国際法から明確
尖閣諸島(中国語名は釣魚島)は、古くからその存在について日本にも中国にも知られていましたが、いずれの国の住民も定住したことのない無人島でした。1895年1月に日本領に編入され、今日にいたっています。
1884年に日本人の古賀辰四郎が、尖閣諸島をはじめて探検し、翌85年に日本政府に対して同島の貸与願いを申請していました。日本政府は、沖縄県などを通じてたびたび現地調査をおこなったうえで1895年1月14日の閣議決定によって日本領に編入しました。歴史的には、この措置が尖閣諸島にたいする最初の領有行為であり、それ以来、日本の実効支配がつづいています。
所有者のいない無主(むしゅ)の地にたいしては国際法上、最初に占有した「先占(せんせん)」にもとづく取得および実効支配が認められています。日本の領有にたいし、1970年代にいたる75年間、外国から異議がとなえられたことは一度もありません。日本の領有は、「主権の継続的で平和的な発現」という「先占」の要件に十分に合致しており、国際法上も正当なものです。
社民党------------------------------
尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件について(談話)
社会民主党党首
福島みずほ
去る9月7日に、中国のトロール漁船が、沖縄県の尖閣諸島にある久場島付近の領海内で違法操業をしており、海上保安庁の巡視船の停船命令を逃れようとして衝突した。この事件で、海上保安庁は公務執行妨害容疑で漁船を拿捕するとともに船員を逮捕した。
一般船員は13日に釈放したものの、船長を引き続き勾留し19日にはさらに勾留期限を延長し取り調べを継続した。
発生から17日経った9月24日になって、那覇地方検察庁は、中国人船長を処分保留で釈放することを決めた。
尖閣諸島は、歴史的にみて明らかに日本の領土であり、沖縄県石垣市に属する島である。領海内で他国の漁船が操業することは、特段の取り決めがない限り断じて認められないことであり、海上保安庁が取り締まることは当然である。
http://www15.ocn.ne.jp/~hide20/"に投稿記事一覧表および一覧表とリンクさせた記事全文があります。一部漢数字をアラビア数字に変えたり、読点を省略または追加したりしています。また、ところどころに空行を挿入しています。旧字体は新字体に変えています。青字が書名や抜粋部分です。赤字は特に記憶したい部分です。「・・・」は段落全体の省略を「……」は、文の一部省略を示します。