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永人のひとごころ
こころの除染という虚構39
こころの除染という虚構
39
3・特定避難勧奨地点
伊達市長・仁志田昇司(にしだ・しょうじ)。
中肉中背、短くなでつけた黒髪。太い眉とぎょろりとした眼が押し出しの強い印象を発する。
昭和19年8月7日、伊達市保原町生まれ。昭和44年東京大学工学部精密機械科卒業後、
日本国有鉄道に入社。そのままJR東日本へ。
JR東日本仙台車両所長から同レンタリース株式会社取締役社長に就任。JR東日本本社での出世の王道から外れた子会社の社長時代に、保原町長出馬の声がかかり、平成13年に保原町長に当選・就任。
保原町長を2期務め、平成18年2月旧5町が合併してできた伊達市の市長に当選・就任。平成26年2月3期目の当選を果たし、現在に至っている。
6月9日、伊達市に国からの来客があった。原子力災害現地対策本部・原子力被災者生活支援チーム佐藤 暁室長が来庁し、直接、国が新たな避難制度である『選択的避難』を検討していることが伝えられた。
安全性の観点から、政府として一律に避難を指示するべき状況ではないために、「選択的避難地点」として特定するという。
当面、伊達市と南相馬市に該当地域があると判断された。
市の意向を打診された仁志田市長は、こう答えている。
『飯館村の様に計画的避難区域ではなく個別指定で行って頂きたい』
個別指定・・・実は伊達はすでに、市独自のモデルを持っていた。それが霊山町石田宝司沢地区の個別指定だ。石田地区に年間20ミリシーベルト超の場所があることを国から伝えられたのは、飯館村が全村避難で大騒ぎとなっていたころだった。
仁志田市長は、地域丸ごとを飯館村と同じような計画的避難地域にするのではなく、避難を希望する世帯のみを対象として、市営住宅を用意し、原発事故避難者と同じ扱いで個別に避難させた。
この実績の上に、今回は対象地域が広いものの。最初からこの個別方式で対応するつもりだったようだ。
一方当事者である小国住民に初めて、市による『住民説明会』が開かれたのはこの翌日6月10日のことだ。
市長はその前に、国に『個別指定でお願いしたい』と市の結論をすでに伝えている。住民の意向をまだ一度も聞いてさえいないのに。 続く
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