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レニー・トリスターノ・セクステット「サックス・オフ・カインド」Live at Carnegiehall Concert 1949

 

 

 前回の「Lee Konitz with Warne Marsh」でジャズ・ピアニストのレニー・トリスターノ(1919~78年)について書きました。1940年代にビバップとは違う、クール・ジャズを創造した偉大なジャズ・ピアニストであるにもかかわらず、正規録音されたレコードが少ないために過小評価されています。

 私はレニー・トリスターノ(Lennie Tristano)の録音の中で、レニー・トリスターノ・セクステット(lennie Tristano Sextet))が、1949年カーネギー・ホールのコンサートで演奏した"Sax of A Kind"が、レニー・トリスターノの音楽の真価を最も表していると思います。1949年12月24日にカーネギー・ホール開催されたコンサートは、レニー・トリスターノ・セクステットの他にバッド・パウエル(Budd Powell)とマイルス・デイヴィス(Miles Davis)のグループ、チャーリー・パーカー(Charlie Parker)、サラ・ヴォーン(Sarah Vaughn)などが出演する豪華な内容でした。

 このコンサートをラジオからエアー・チェックしたLPが1980年代にリリースされました。エアー・チェック録音のため音質は悪いですが、レニー・トリスターノ・セクステットの演奏"Sax Of A Kind"が素晴らしく、何回も聴きました。冒頭のリー・コニッツの閃光のようなアルト・ソロ、トリスターノとビリー・バウアー(Billy Bauer)の緊張感とスウィング感を伴ったスリリングな演奏、特に3分40秒過ぎからのリー・コニッツとウォーンマーシュのソロとアンサンブルには感動しました。日本のフリー・ジャズのギタリストの高柳昌行氏はレニー・トリスターノ信奉者で、クール・ジャズについて「ハード・バップは表面は熱いが、クール・ジャズは表面は冷静だが内面は熱いものを持っている」と語っていました。

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