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野草・薬草入門➂ ドクダミ

 

  

 四季の移ろいは巡りめき、あれよ、あれよと言う間に立秋も過ぎて処暑を迎えました。暑さが収まってくる時期です。吹く風も涼しくなってきましたが、気を抜けないのは人間の排出するエネルギーです。辛暑がまだまだ続きそうです。

 野草入門には春が一番です。それでも二十四節気(夏至、冬至、立春、立秋など)ごとに生え変わる野草たちを見ると、昔から歌や俳句などにも登場する存在感には圧倒されてしまいます。それぞれしっかりと芽生えてこれでもかと繁殖する生命力。

 六月の花は紫陽花(あじさい)、野草はドクダミが旺盛でした。七~八月の花は朝顔、向日葵(ひまわり)、野草はヤブガラシ、コヒルガオ、ツユクサ、スベリヒユなどなど。今最も勢いのある猫じゃらしことエノコログサ、メヒシバが穂を揺らし生えに生えています。食べられる野草は大賑わいですが、イネ科は厄介な雑草扱いです。それでも食用に出来なくても薬草としての効果はあるのです。

 

 野草入門編なのでわかりやすいドクダミを紹介します。夏も終わりに近づいているのに遅かりしですね。

 

 ドクダミを知っている人には宝物ですが、知らない人には嫌われる野草です。ドクダミ独特の匂いがなければその辺の雑草と同じなのに。しかもドクダミという名で毒を持つと思われがち、人々の好き嫌いが分かれる一番の野草でしょう。

 葉は心臓形、ハート形です。形だけとらえても愛おしい存在ですが。

 

 

 

  なぜドクダミは嫌な匂いを持っているのでしょうか。悪臭の成分はアルデヒドであり、ドクダミ本体は虫や病気に冒されることなく繁殖できています。存在自体が虫よけということです。

 ドクダミの名前は毒矯みで「毒を抑えるが」名前の由来で、乾燥品は生薬の十薬です。十の効能を持つ薬草、それがドクダミなのです。驚きますよね。悪臭を放つ繁殖力のある草が薬草とは。

(十の効能) アルデヒドは紫外線、加熱に弱く揮発する性質が強いので、ドクダミは新鮮な生に殺菌力があり、加熱して煎じると効果は半減する

①虫よけ

②消臭 トイレの消臭

➂殺菌

④解毒

⑤強い利尿作用

⑥弱い瀉下(えんげ)作用

⑦毛細血管を丈夫にする作用

⑧強心作用

⑨血管収縮作用⑩

⑩動脈硬化の予防作用

⑪35度以上の酒につけて抽出したチンキの虫さされ治療薬、グリセリンと精製水で割った化粧水、蜜蝋で固めたクリームは肌の保湿効果に優れている。

⑫薬用の他にどくだみ茶や食用、園芸用などに利用

(使用方法)

生葉を揉んで。乾燥させてお茶。酒漬け。

 

 副作用 

 ①高カリウム血症
 ②肝機能検査値(GOT、GPT)の上昇例
 ③フェオフォルバイドa(クロロフィル分解物)の光反応による肌荒れ(光線過敏症))
 ④妊婦の服用や過剰摂取、長期の連続使用は避けるべきとされます。

 

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