マガジンひとり

オリンピック? 統一教会? ジャニーズ事務所?
巻き添え食ってたまるかよ

ソーシャル・メディアをこき下ろしたニール・テナント - 10 Best Pet Shop Boys Songs

2013-07-28 20:57:00 | 音楽
ツイッターをやってると「おすすめユーザー」として、話題の著名ユーザーであるとか、自分がフォローしてる他のユーザーも共通してフォローしてるユーザーであるとかが表示される。
そのうちの1コをクリックしてみると、↑のような画面が現れた。

気持ち悪い。
若い女を装ってるものの、実際は村上春樹みたいな顔した広告代理店のおやじか、雑居ビルの一室でブラックIT企業が運営してるアカウントなのかも。
いや私もフォロワー数の水増し目的で相互フォローしてるアカウントがないわけではないが、ここまで気持ち悪いアカウントがフォローしてきたら速攻ブロックですわ。

「それは根本的に不誠実だ(fundamentally insincere)」と、ペット・ショップ・ボーイズのニール・テナントが世間をにぎわすツイッターやフェイスブックをはじめとするソーシャル・メディアに対して述べた。
MOJO誌のインタビュー記事(7月3日)で。


「誰もが本当に"共有(share)"することに傾斜してるのだとは思えない。ソーシャル・メディアが実現してるのはニセモノの親密さ(fake intimacy)に過ぎず、そんなうわべだけのコミュニケーションは根本的に不誠実じゃないか。
ミュージシャン(など著名人)がそれを通してファンの声に耳傾けるというより、それは市場開拓のためのマーケティング・プロセスに他ならない、ニセモノの民主主義だ。
僕は本物を求める。そのようにビートルズやボウイから、そしてインクレディブル・ストリング・バンドから教わってきた。
われわれ自身の文化に沿った、独自の方法で物事を成し遂げようよ、インクレディブル・ストリング・バンドみたいにさ(大意)」



イイこと言うよ。
音楽を基準にして考えれば、AKBやJ-Pop、あるいは東浩紀や宇野常寛、あるいは安倍晋三や橋下徹といったものどもが、フェイクであり、ニセモノの親密さであり、民主主義を装った「民主主義の破壊者」に他ならないと容易に知れよう。
そういや250万のフォロワー数を誇る有吉弘行もラジオで言ってたな、情報収集のためにツイッターやってる(フォロワーのためになんかやってない、可能ならフェイドアウトしたい)って。
流行の話題や若手芸人の動向など、彼なりのマーケティング・プロセスなのだろう。




●The 10 Best Pet Shop Boys Songs
1) Being Boring (1990)
2) What Have I Done to Deserve This? (feat. Dusty Springfield) (1987)
3) Rent (1987)
4) Getting Away with It / Electronic (1989)
5) It's a Sin (1987)
6) West End Girls (1985)
7) Leaving (2012)
8) Dreaming of the Queen (1993)
9) Left to My Own Devices (1988)
10) Axis (2013)





選挙が争点ぼけした責任は、議題設定(アジェンダ・セッティング)機能をもつメディアにもあるはずだ。議題設定そのものを放棄した総花的企画の典型は、『文藝春秋』8月号の政界リーダー連続インタビュー「池上彰 あなたは日本をどう変えますか」である。とはいえ、安倍首相が愛用のフェイスブックについて池上に語ったひと言は収穫だった。「フェイスブックの利点は、限られた空間とはいえ、国民の皆さんが何を求めているのか、リアルタイムで知ることができる点です」。インターネットの利点は情報の双方向性にあると考える一般ユーザーが多いが、首相は国民感情のモニタリングを意識している

それが為政者の正しいソーシャル・メディア利用法であることは、ネグリ+ハートの「帝国」をメディア論から読み解いた水嶋一憲「そこに一緒に存在すること ポストメディア時代の政治的情動と一般的感情」(『現代思想』7月号)を一読すればわかる。2011年のオキュパイ・ウォールストリート運動やアラブの春は「ツイッター革命」「フェイスブック革命」として論じられたが、ソーシャル・メディアは一緒に存在することで生まれる身体的なコミュニケーションの代替とはならないこと、それは何より「脱中心化の後でコントロールを作動させるための分散型マネジメント・システム」であることを明らかにしている。つまり、上からのデータ管理装置であるだけでなく、一般ユーザーのアクセスや書き込みを数量化し、「一般的感情」として測定可能にする下からの価値生産装置なのである。リンク数で情報を価値付けるグーグル型「リンク経済」から、フェイスブックのいいね!(Like)ボタンで感情を評価する「ライク経済」へ進化する中で、「金融–ソーシャル・メディア–一般的感情」の三位一体でこの情動制御装置は機能している。社会変革のメディアというナイーブな幻想から離れて、アベノミクスの株価変動、それと連動する内閣支持率、そして安倍晋三フェイスブックのフォロワー37.5万人という数字の意味が吟味されねばならない。 –(佐藤卓己「論壇時評・参院選でみえたもの~理念の復権とウェブの機能」より、東京新聞2013年7月25日夕刊)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする