上皇后様の詩を発見しました
空襲で亡くなった叔父正田順四郎氏を追悼したものです
思い出せば もう三年前になる
日あたりのいい 鵠沼の家で
順おじ様を 皆してかこみ
かけっこかけっこと せがんだものだった
順おじ様も 上着をかなぐりすてて
砂かげろうの立つ鵠沼の庭を
ヨーイ・ドンで 皆して走る
何度やり直しても
おじ様の勝だった
今でも お庭で かけっこをして遊ぶと
おめがねの下で 笑いながら
私達を駆け抜けて ふりかえられる
おじ様のお顔が 見えるように思う
館林の悲しい おそう式がすんで
軽井沢また東京と 住む場所は変わっても
私の手箱の中に 思い出をこめて
おじ様のお形見が ひめられていいる
ここで語られてる「鵠沼の家」こそは
上皇后様が疎開していた鵠沼藤ヶ谷の正田家の別荘でしょう