湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

日本人の行動原理

2008-10-24 12:16:39 | Weblog
長男がまだ幼稚園に通っていた頃
ある場面に遭遇して、私には忘れられない記憶となっています

それは幼稚園の運動会の時のことでした
私より若いご夫婦が私達の近くにいて
子供との会話が嫌でも聞こえてきます

その若い父親は、自分の子供に対し
ルール違反をしてでも勝つように、一生懸命アドバイスをしているのです
こうやればいいんだと、具体的にアドバイスしていました

私は、あきれてしまいました
まさか幼稚園の子供にルール違反を教える親がいるなんて・・・
ただし、私が不思議だったのは
その種目は団体競技であり、ルール違反をしても
個人的メリットはほとんど無いはず競技だったことです

私は今、冷静に考え直して見ると
あの若い父親は、私以上に
”伝統的な日本人”だったのではないかということです

日本人は公的ルールを守ることをあまり重視しません
道路交通法をみてもわかるとおり
警察に摘発され、厳しい罰則が適用される状況でしか守りません

そもそもルール自体、守ることを前提に作られているとは思えません
ルールを守ること自体が困難なケースが少なくありません

その反面、明文化されたルールが無くとも
日本人は秩序を守ることができます

比較的少人数のグループの、暗黙の了解事項は厳格に守られます
それが公的ルールに反するものであっても、まったく関係ありません
ヤクザや不良少年のグループはその典型です
エリートの集団である、中央官庁の官僚達も
あるいは大企業の幹部社員にも、同様の傾向があります

一見、文明化した日本ですが
日本人の行動原理というのは
戸数数十戸の村落における行動原理を、そのまま引きずっているのでしょう

日本国内を自動車で旅をして気付くのは
人口が集中している市街地を除けば
日本人は、山と山で仕切られた狭い空間に
戸数数十戸以内の村で、家々が身を寄せ合うように暮らしています

人口が都市部に集中する近代以前には
こうした村が、多くの日本人の生活の場でした
当然、そこでの行動原理が日本人の行動原理だったのです
近代化以降、都市の住人となった日本人にも
そうした”村の行動原理”は引き継がれてきたのでしょう

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