無意識日記
宇多田光 word:i_
 



昨年末から定額配信にヒカルが参画している。気になるのはやはり再生回数だろう。定額サービスなだけに、各アーティストには再生回数やダウンロード数に応じた配分が支払われる事になっている。

最近はCDを買っても一度も聴かない事も珍しくはない。なんらかの付録が目的だったり、プレイパスで事足りたり。しかし、ヒカルのCDを買う人はほぼ総てが聴く為に買ってきているだろう。定額サービスに加入して購入やレンタルをしなくなった人も、なんだかんだで何度も再生してくれる筈だ。

恐らく、定額サービスになってますますヒカルの存在感は増す。実際のところ再生回数をどうやって把握しているかは知らないが、漸く、(昔から知りたかった)各リスナーの聴き込み度が見えてくる。いや一般人である我々になんらかのデータを教えてくれる訳ではないのだが。しかし、レコード会社に"手応え"を与えればレーベル内での発言力は大きくなり、ヒカルはより自由な活動を繰り広げられる。損はないのだ。

本当だったら、リリース一年後くらいに、例えば「『Fantome』の再生回数が一千万回を突破!」とかニュースリリースしてくれればいいんだが。今それが可視化できているYouTubeと較べてどちらが多いのだろうかね。そこから単純計算で収益額も推測できるだろうし。とはいっても、配当額って加入者数の多寡増減によって変動しそうなもんだが、そこはどうなっているんだろうな。知らない事ばかりだよ、全く。

自分のような人間はアルバムが発売されればCDを買い、プレイパス分をダウンロードし、Mastererd for iTunesを購入し、Apple Musicにもライブラリ登録して辺り一面新作で埋め尽くすのだが、大概の人は、LIVEチケット目当てでもない限り定額配信で済ますわな。歌詞もちゃんと見れるし。

なので、2つの視点がある。ヒカルがリリースするメディア(CD、プレイパス、配信販売、定額サービス、YouTube…)の中で、どれの利用率がいちばん高いかという見方。もうひとつは、他のアーティストたちと較べて再生回数が多いのか少ないのか、CDやダウンロード販売と較べて定額配信はより力を見せつけているのか実はそうでもないのか、という見方。両方に興味があるけれど、バイラル・ランキングとか未だにようわからんし、暫く静観しとくかな。

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この調子で「あの曲をLIVEで聴きたい」を連発すると止まらなくなるかもしれないので初手で自重しておこうか。

という本日は『Distance』発売17周年。えらいまぁ昔。その頃生まれた人は来年就職とか大学受験とか諸々ですよ。

でも、実際のところ言うほど感慨は無いかもしれない。それがこちらが年をとったせいなのか、ITによって過去が相対化されたせいなのか、ようわからん。何しろこっちはWebを触って20年が経過しているので、過去20年は常に「すぐ手に届く」のだ。

もっとも、毎年CDを買い続けているから更にその10年位前からの"歴史"はサラッとCDラックに並んでいる。そういう意味では自分の場合過去30年分位は「すぐ手に取れる距離にある」ので、プレイボタンを押せば過去の思い出が瞬く間に甦る。音楽の想起作用は便利だ。

こうしてみるとやっぱり「生まれる前」の時間と「物心ついてから」の時間は別物だなと感じさせる。生まれる前は本当に遠くて。70年代の10年間と00年代の10年間はやっぱり別物だ。90年代と00年代の10年はそこまで変わらないけど。

まぁでも1998年からの20年は「違う時の流れに迷い込んだ」感覚が拭えない。総てヒカルさんのせいです。あらゆるカレンダーや時計が新譜と新曲の発売日とリンクされて思い出される。じゃあ6年半はどうだったかというと、『WILD LIFE』の円盤が発売されたり『桜流し』がリリースされたり『Kuma Power Hour』がオンエアされたり『First Love 15th』が出されたり『宇多田ヒカルのうた』が作られたりで…結構埋まっているものだ。空白の、という大袈裟なものではない。

なので「えらいまぁ昔」と言ってみたものの、当時の歌はすぐ聴けるしメッセはすぐ(というほどでもなくなったけれども)読めるし、「相対化・空間化された過去」は依然として目の前にあって、自分の生まれる前に対するような「遠さ」は感じない。2001年頃はまだまだインターネット黎明期、そこまでの相対化された感覚はなかった。「今すぐ」「途端に」の方に注目していたしな。今のように膨大な"過去"にアクセス出来る訳ではなかった。

故にあの頃と最も変わったのは、空間的には勿論の事時間的にも「距離/Distance」である事はほぼ間違いなく、従って今『DISTANCE』を歌う事でこの歌の先見性即ち普遍性をより痛感する事が出来るだろう。次のアルバムにアンサーソングや続編があってもいいかもしれないね。

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