無意識日記
宇多田光 word:i_
 



そういや今回の熊淡、妙に英語噛んでた/言い直しが多かった気がするんだが何でだったんだろうな…気になる…

…考えても仕方がないか。今回はライブ特集、と言っても、ちょっとよく考えてみないといけない。ラジオでライブ・バージョンを流してそれを聴く。オリジナル・バージョンと何が違うのか。

細かい話だが厳密に分けなければならない点がひとつある。それは、実際にライブで披露されたプレイ自体に独自の魅力がある、というケースと、ライブ・アルバムに施されたミックスがオリジナルと際立って違っていたケースと、だ。

ちょっと難解なのだが、ライブアルバムといえど、別に会場にマイクを立ててそれでプレイの音を拾って録音して作品を作っている訳ではない。クラシックのコンサートはそうかもしれないが、ロック等PAを使うコンサートの実況録音盤は、ライン入力音源を使用している場合が多い。何が言いたいかというと、確かに演奏自体はその日その場で披露されたものかもしれないが、それが実際に会場に鳴り響いたサウンドかどうかは別である、という事だ。

この点を踏まえると、例えば照實さんがリクエストしたステレオフォニックスの曲は、オリジナルは特に好きではないがライブ・バージョンの方は、という感想になる理由が、単にミックス/サウンド・プロダクションが違うから、というだけの事だったりするかもしれない。例えば同曲であれば、オリジナルでは引っ込んでいたギターサウンドがこのバージョンでは前面に押し出されていてやたらカッコいい、となっているかもしれない、なんていう話。

要約すると、つまり、ラジオでかかるCD音源の"ライブバージョン"という存在は、それが本当にライブ・コンサートのサウンドを伝えているかというと、必ずしもそうではないし、従って、ライブバージョンが好きだからといって、その実際のライブも好きになるとは限らない、即ち、ライブの実況録音盤と実際のライブは別物だという話である。そして、今回の熊淡は、CDに収録されている"ライブバージョン"の特集であって、照實さんやHikaruが実際にライブを観て気に入ったバンドを特集している訳ではない、というところを強調しておきたい。(照實さんがナマのステレオフォニックスを観た事がない保証もないがな) あクマで、CDに入っている音を気に入ったかどうかが主眼となる。

だから、例えば、Hikaruはレッド・ツェッペリンもジョン・レノンも観た事がない。しかし、こうやって、今の時代に実況録音盤を聴く事が出来るから、それについて語る訳だ。実際に観たライブを思い出しながら浸っているのとはちと意味が違うのである。

この点を整理してから番組を聴き直すと、Hikaruがそれぞれの曲、それぞれのバージョンが何故好きなのか、といった事がちゃんと区分けされて浮かび上がってくる。些細な差だが、意識しておく事が重要だ。ライブ・アルバム/ライブ・バージョンというのはそれだけで実際のライブコンサートともオリジナルアルバムとも異なる独自の文化を形成している。Hikaruもそこらへんは深く考えていなかったかもしれないな…流石にそれはないですかねぇ…。

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結局、これを書いてる時点では「辿り着いた文字」についての本人からの言及は無し…あれだけ楽しい放送を提供しておいて画竜点睛を欠くというか適当というか…無事放送された風なのを見届けて寝落ちしちゃったんじゃあ、あるめーな。風邪なんか引いてんじゃねーぞ。

という訳で若干「よいお年を」ムードすら漂っていた熊淡第7回放送、如何でしたか? 今回はLIVE音源特集という事だったが、冒頭の東京都在住65歳の男性からのステレオフォニックスのリクエスト以外は、Hikaruの今までの嗜好を再確認するような内容だった。それにしても65歳でステレオフォニックスとはお若い。きっと年がら年中Tシャツにグラサンみたいな若々しい格好をしてはるんやないかな?(すっとぼけ)

そんな中、Hikaruが自分の曲を2曲もかけたのが印象的だった。いや、ミュージシャンのラジオ番組なんだからテメーの曲をかけるのは当たり前なんだが番組のコンセプトと本人の正確からして、あんまりそういうのは好きにならないんじゃないかと思ってたんだけど、本人も番組中に触れていたように、特に"Automatic"の方は、作ってから時間が経っているという事もあって、離れた場所からリラックスして評価できるようになった、という事らしい。それにしても16歳のシンガーソングライターって誰なんだろうね。才能があっても今の時代、自作自演屋が売れる可能性はとてつもなく低いのだがHikaruの口ぶりからすると妙に自信ありげだったな。それはさておき。あ、日本市場以外の話かな?

ともあれこの感じ、番組が随分リスナーフレンドリーになってきた雰囲気を強くさせる。流石に9ヶ月もリアクションを浴び続けると影響があるのだろうかな。このままいくとどんどん"サービス精神旺盛"な内容になっていきそうで。3月に15周年記念盤もあるし、過去の音源を振り返る動機は増えている。それはそれでリスナーが喜ぶからいいんだけれども、Hikaruが好き勝手に選曲して「みんなついてきてくれてる?」と不安そうな顔をする場面がなくなっていくかと思うと、それはそれで少し寂しい。斯様にラジオ番組というのは生き物で常に一回々々変化していくものなので、一回々々噛み締めて聴いていきたいと思う所存なのであります。

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